保険金・給付金が支払われないケースについて
生命保険に加入をすれば、被保険者の保険事故については保険金や給付金が支払われるのが原則ですが、被保険者が保険事故に該当した場合でも保険金や給付金が支払われない場合もあります。万が一のときに慌てないためにも、保険加入時や受取の際に確認をしておくことが大切です。
保険金や給付金が支払われないケース
支払事由に該当していても、ケースによっては保険金や給付金が受け取れないことがあります。知っていないと請求段階でトラブルに発展するかもしれなので把握しておきましょう。生命保険会社によって若干、取り扱いが異なりますが、主に次のとおりです。
1.支払事由に該当しない場合
保険金や給付金が受け取れるのは、約款所定の支払事由に該当した場合です。支払事由に該当しない場合には保険金や給付金は受け取れません。
・支払事由の原因が責任開始前に生じている場合
・入院・手術が支払事由に該当しない場合 など
(参考)保険金の支払い事由
死亡保険金 | 保険期間中に被保険者が死亡したときに支払われる。 |
満期保険金 | 満期日に被保険者が生存しているときに支払われる。 |
高度障害保険金 | 生命保険契約の特約として定められるもので、保険約款に定められている高度障害状態となった場合に支払われる。死亡に匹敵する場合が定められている。 |
2.免責事由に該当した場合
約款所定の「免責事由」(支払われない事由)に該当した場合、保険金や給付金は受け取れません。基本的に免責事由は、保険金の不正受給や生命保険会社の健全な運営・維持のために掲げられているものが多くあります。
○免責事由の例
・契約した保険の責任開始期(日)または復活日から一定期間内に被保険者が自殺したとき
ただし、その受取人が保険金の一部の受取人である場合は、ほかの受取人はその残額を生命保険会社に請求できます。
・戦争その他の変乱によるとき。
ただし、死亡した被保険者の数によっては、死亡保険金の全額を支払う、またはその一部を削減して支払うことがあります。
・契約者、被保険者または災害死亡保険金受取人の故意または重大な過失によるとき
・被保険者の犯罪行為によるとき
・被保険者の精神障害の状態を原因とする事故によるとき。
・被保険者の泥酔の状態を原因とする事故によるとき など
重大な過失(重過失)について
過失というのは不注意のことですが、法律上は「重過失」と「軽過失」に分けられます。重過失は、不注意の程度が大きいことで、故意と同視できるような場合を意味します。
3.告知義務違反による解除の場合
生命保険に加入する際には、被保険者の健康状態について正確に告知をする義務があります。これを故意または重大な過失によって事実を告知しなかった場合や、事実とは異なる内容を告知した場合には、契約は解除となり、保険金や給付金は支払われません。
ただし、告知義務違反の対象となった事実と保険事故の原因にまったく因果関係のないことが認められたときには、保険金や給付金は支払われます。
4.重大事由による解除、詐欺による取消、不法取得目的による無効の場合
「保険金や給付金などをだましとる目的で事故を起こした」などの重大事由で契約が解除となった場合、また、契約の加入や復活に際して詐欺行為や保険金を不法に取得する目的の行為があり契約が取消・無効となった場合には、保険金や給付金は受け取ることができません。
保険金が支払われない理由
上記のような保険金や給付金が支払われないケースについて保険金が支払われることになると、保険制度の健全な運営に支障が生じたり、保険契約者の利益を損ねたり、また、公益に反することになります。
したがって、このような場合には保険金が支払われないとしています。