転換
2019/11/18
保険の転換とは現在加入している保険をいったん解約して、解約返戻金や積立金などを転換価格(下取り価格)として新しく別の生命保険に加入し直すことです。
転換制度を利用するには以下のようにいくつかの条件があります。
・同じ生命保険会社でなければ利用できません。
・転換制度利用時の年齢・保険料率により保険料を計算します。
・転換時の予定利率が元の契約の予定利率よりも下がる場合は、保険種類によっては保険料が引き上げとなります。
・告知(または診査)が必要です。
・元の契約の特別配当を受け取る権利が引き継がれます。
・生命保険会社によって取扱基準が異なります。また、転換制度を取り扱わない会社もあります。
・新規に契約する場合と同様の要件でクーリング・オフ制度の適用を申し出ることができます。
転換の種類
保険の転換には、「基本転換」「定特転換」「比例転換」の3種類があります。基本転換は終身保険のみに適用される転換方法で、今まで支払ってきた保険料を転換価格として下取りしてもらい、転換価格を今後の終身保険の保険料に充当することによって保険料を軽減させるものです。
定特転換とは定期保険特約の保険料に転換価格を充当させるもので、定期保険特約の保険料のみ軽減させることができ、終身保険の保険料に関しては軽減されません。また定期保険特約が更新されると、新しい特約の保険料に関しては保険料が軽減されることはありません。
比例転換とは終身保険と定期保険特約の両方の保険料に転換価格を充当させるもので、両方の保険料が充当された転換価格に比例して軽減されることになります。こちらも定期保険特約が更新されると、新しい特約の保険料が軽減されることはありません。
転換制度のメリット
1.新規加入よりも保険料が安くなる
転換前の保険の積立金を新しい保険の保険料に充当できるため、新規で加入するよりも保険料が安くなります。生命保険を見直しする際、同じ保険会社の商品に乗り換える場合は、解約するよりも転換制度を利用した方が有利になります。
2.新しい保障を追加できる
同じ生命保険会社での見直しなので、古い契約内容を継承できるうえ、新しい保障を追加できるなど総合的に変更することができます。新たに特約を追加すると保険料は上がりますが、転換制度を利用しての見直しなので保険料を抑えることができます。
転換制度のデメリット
保険料が上がる可能性がある
同じ保険会社での見直しとはいえ、契約上は新しい保険に入り直していることになるので、保険料は転換時の年齢で再計算されるため、積立金を充当しても保険料が上がることがあります。
また、転換前の保険から新しい保険への予定利率(保険料の割引率)は、継承されず転換時での予定利率が適用されます。
転換前の保険が予定利率の高い時期に加入していた場合、転換時期によっては予定利率が大きく下がり、保険料が上がることになるので、結果的に損する可能性があり注意が必要です。
その他注意点
保険料を抑えながら保障額を手厚くできるということで定期保険への転換を薦められることがありますが、終身保険や養老保険など貯蓄性の高い死亡保険を解約してまで保障を手厚くする必要があるかしっかりと検討することも大切です。