リビングニーズ特約
2019/11/24
リビングニーズ特約とは、例えば医師から余命6カ月の宣告を受けた時、生存中に3,000万円を上限とする生前給付金を前払いする特約です。加入している保険金額ではなく、任意の金額を請求することもできます。
加入している保険金額が3,000万円に満たない場合は、加入保険金額の限度内で受け取れます。特約は無料で付加できます。ほとんどの保険会社で中途付加することができるので、現在加入中の保険にリビングニーズ特約の付加可能でありながら、付加していない場合は付加することを検討しましょう。
生前給付金の請求に関して、被保険者本人が保険金を請求できる状況にない場合などには、事前に指定されていた代理人(指定代理請求人)が請求することができます。
ただし、指定代理人が事前に登録されていないと、被保険者が意思決定できない場合、生前給付金の請求ができませんので、事前に届け出をしておきましょう。
余命6ヶ月と宣告されてもそれ以上生きる場合があります。その場合でも生前給付金の返還の必要はありません。本来、死亡後に支払われる保険金を生前に受け取ることで、人生の最後に悔いのない時間を過ごすことや経済的に十分な治療を受けられない状況を改善することを目的として考えられた特約です。
なお、生前給付金の使い道には制限がなく、 医療費や生活費などに充てたりすることはもちろん可能ですし、最後の思い出に家族で旅行するなど有効に使うことができます。
税金について
生前給付金を受け取る場合は、受け取った時点では保険金であるため非課税です。しかし、リビングニーズ特約で受け取った給付金を使い切れず被保険者が亡くなった場合、残ったお金は他の相続財産と合算され通常の相続税の対象となります。
死亡保険として受け取れば、生命保険の相続税の非課税枠が認められますので、生前に受け取る金額は使い残すことが無いように請求した方がよいでしょう。
参考までに生命保険の非課税枠とは、500万円×法定相続人(法的に相続の権利を持つ人)の数で算出される金額になります。
リビングニーズ特約のメリット・デメリット
1.リビングニーズ特約のメリット
・死亡保険金を先払いで受け取ることで、葬儀や墓などの死亡時の準備金に使うことが出来る。
・死亡時の相続対策として利用できる。
・緩和ケアなどの施設利用料に充てることが出来る。
他にもまとまったお金が必要な場合に請求することでさまざまな用途に利用できます。
2.リビングニーズ特約のデメリット
・受け取れる金額に上限がある。(ほどんどの場合は3000万円まで)
・死亡保険金の範囲内で受け取れるが、全額を受け取ってしまうとその後の保障がなくなる。例えば死亡保険金3000万円の場合3000万円を受け取ると保障がなくなる。また、2000万円のみを受け取った場合、残りの1000万円が満期までの死亡保障として残る。
・非課税であるが生前給付金を使い切れず被保険者が死亡すると、残ったお金は相続税の対象になる。