自動更新に要注意
2017/02/07
定期保険は満期が定められています。通常は満期になる数週間前に解約の意向を保険会社宛てに連絡しないと自動的に更新されてしまいます。ある一定の期間だけ定期保険に加入しておきたいと思っている人は、この自動更新に注意しなくてはなりません。
定期保険の自動更新
定期保険は一定期間のみ保障する保険なので、満期日(保険契約が終了する日)があります。定期保険には「更新型」と「全期型」があり、通常であれば、その満期日が過ぎることでその保険契約の保障は終了します。
掛け捨て型である定期保険の全期型の場合、保険期間が長く保険期間満了と同時に契約が消滅しますが、更新型の場合、満期日を迎えた後も自動的に加入し続けることができるのです。この制度のことを「自動更新」といいます。
多くの定期保険の約款は、「保険期間満了の日の2週間前までに申し出のない限り、被保険者の健康状態にかかわらず自動的に更新される」としています。
つまり、被保険者が「更新はしません」と意思表示をしない限り、自動的に同一内容の満期10年の定期保険を継続することになるのです。また、自動更新の際には、告知書の提出や医師による検査が省略されるのが普通です。
自動更新とは、定期保険などにおいて10年などの保険期間が満了した時に、健康状態に関係なく、保障内容・保険金額(保障金額)・保険期間(保障期間)については、それまでと同じ内容で継続できる制度です。
なお、永遠に保険契約を継続できる訳ではなく、60歳や80歳までなど年齢の制限を設定している保険会社が一般的です。
更新するごとに保険料は高くなる
更新後の毎月支払う保険料については、保障額(保険金額)に変更はありませんが、自動更新の時点(満期日時点)での年齢で保険料などが再計算されるため、保険料が上がります。これは、満期日の時点では加入した時よりも必ず年齢が上がっているためです。
したがって、自動更新を迎えるごとに保険料は上昇していきます。
(参考)定期保険(保険金額:3,000円)
10年満了 | 30年満了 | |
加入(30歳) | 5,970円 | 10,650円 |
更新(40歳) | 9,750円 | |
更新(50歳) | 19,200円 | |
平均 | 11,640円 |
支払総額では保険期間を10年で小刻みに更新していくよりも年齢の若いときに30年の長期間としたほうが少なくなります。
定期保険の自動更新のメリット・デメリット
定期保険の自動更新のメリットは、医師の診査が不要なことです。更新前に別の保険に加入し直す場合は、当然ですが健康状態の申告・医師の診断書が必要で、保険会社の引受査定が発生します。健康状態によっては加入ができないこともあり、再告知が不要な自動更新はありがたいしくみです。
一方で、自動更新のタイミングで保険料が上がってしまうのはデメリットです。特に、付帯している特約の保険料も同時に自動更新されることが多いので注意が必要です。
定期保険の自動更新は便利なしくみですが、自動更新のお知らせが届いてから他の保険を探していると、検討する時間が足りない場合があります。
他に乗り換えたい保険がある場合は、無保険となるリスクを避けるためにも、現在の保険を継続しながら、候補となる保険に申込して、更新までに加入できるかを確認する必要があります。
メリットのない転換には絶対に応じない
更新時の保険会社の提案書は、「転換契約」を勧めるものが非常に多いです。転換とは、契約者に今までの契約をいったん解約させ、その解約したときの払戻金を「頭金」と称し、旧契約のメリットを利用できない新規の契約のことです。加入者にはメリットがないことが多いので注意しましょう。
特に「今より保障が大きくなって保険料が安くなります」には注意が必要です。必ず何か理由があると考えたほうが良いでしょう。