逓減定期保険
2019/11/24
逓減定期保険とは、契約後から保険期間満了までに保険金額が契約当初の金額から年々一定の割合で減少していくタイプの保険です。保険金額が年々減少するので保険料は通常の定期保険より割安になります。
保険期間は10年、20年などの一定期間のタイプと60歳、65歳など特定の年齢に達するまでのタイプがあります。保険金額は設定した保険金額から年3%、年4%などの決まった割合で減っていきます。逓減の仕方は、保険商品や設定タイプによって様々です。
子どもの成長に合わせて、毎年死亡保障額すなわち必要保障額が減っていく逓減定期保険は合理的と言われています。
逓減定期保険の利用方法
逓減定期保険は、死亡・高度障害保障だけに絞った掛け捨て型の保険で、毎年所定の割合で保障額が減っていくため、無駄のない合理的な保障額を、割安な保険料で準備することができます。以下は、具体的な利用方法です。
・ライフプランやライフスタイルの変化に合った無駄のない必要保障額を、割安な保険料で確保する。
・住宅ローンで、団体信用生命保険に加入しなくてもいいケースでは、逓減定期保険を他の保険とうまく組み合わせて効率的に活用する。
・事業主や中小企業では、万一の場合に借入れが残らないようにするために、借入金の返済に合わせて、代表者(借入者)が逓減定期保険に加入することがある。(中小企業の場合、代表者は個人でも連帯保証人になることが多い)
逓減定期保険のメリット・デメリット
1.逓減定期保険のメリット
保険金額が徐々に減るためメリットのないように感じますが、保障金額が少なくなれば、月々の保険料を安くできます。商品によっては、最初の支払保険料と比較して半額程度に抑制できる保険もあります。逓減定期保険の加入は子どもが生まれたときが良いでしょう。
子どもが生まれると養育費がかかります。自分に万が一のことがあった場合、保険金がもらえるように保険に加入するのは賢明です。子どもの成長とともに必要となる養育費は少なくなるので保険金額が年々減少する逓減定期保険に加入することは保険料の節約効果にもつながります。
2.逓減定期保険のデメリット
必要保障額が増えるようなライフステージの変化に対応できていないという点です。例えば、子どもが産まれた、子どもが私立の学校へ通うことになった場合など、必要保障額が増やさなければいけないのに一定期間を過ぎると保険金が減少することになります。
逓減定期保険を取り扱っている保険会社は減っている
この逓減定期保険はとても合理的な保険ですが、より合理的な定期保険「収入保障保険」が主流となったため、この逓減定期保険を取り扱う保険会社は数社のみとなってしまいました。収入保障保険は逓減定期保険と同じく、掛け捨て型で、保障額が年々減っていく保険です。
大きな違いは、保険金の受け取り方です。逓減定期保険はまとめて受け取ることができますが、収入保障保険は、まとめて受け取るか年金として受け取るかを選ぶことができます。この年金で受け取ることができるしくみがあることにより、収入保障保険が主流になっています。