年金制度の仕組みとは?|公的年金を理解して保険の入りすぎを防ぐ!
この記事では公的年金のしくみを説明します。
民間の個人年金の利用のポイントは、公的年金で補えない部分に対する保障を確保することです。
しかし、公的年金のしくみは複雑で分かりにくい部分が多いため、どのような民間の個人年金が必要になるのか分かりません。
公的年金を理解しようにも、何から手を付ければよいか悩んでいる人が多いかと思います。
納得できる年金保険の見直しは、やはり専門家に相談するのが一番良い方法ですが、都合の良いものだけを勧めてくるのではないかという不安があります。
特に下調べもせずに相談に行くと売りたい商品を勧められるだけに終始して、不満だけが残る結果になりがちです。
自分が納得できる結果を得るには下調べが必要で、そのポイントを知り、専門家に相談することで良い結果を得ることができます。
人生100年時代に向けて年金の仕組みを確認
日本の年金制度は、2階建ての建物にたとえられます。
その土台となる1階部分に当たるのが、公的年金である国民年金で、この部分は全国民に共通した年金です。
次の2階部分に相当するのが厚生年金で、これは企業社員、公務員、私学教職員が加入する年金です。
以前は公務員などの年金として、個別に共済年金がありましたが、現在は統合され、すべてまとめて厚生年金となりました。
なお、国民年金は年金保険料納付などの条件を満たすすべての国民に支給されます。
国民年金にしか加入していない自営業者やフリーター、学生などの人たちが第1号被保険者、厚生年金にも加入している被雇用者が第2号被保険者になります。
なお、第1号被保険者と同じく国民年金のみに加入していても、第2号被保険者に扶養されている主婦などは、第3号被保険者として扱われます。
加えて、現在は各自の判断で、iDeCoや国民年金基金などを利用して3階建ての体制を作ることも可能です。
公的年金受給者3タイプの違いを確認
国民年金と厚生年金では、納める保険料の計算方法が異なります。
基本は下表にある通りで、国民年金保険料は定額で、毎月決まった金額になります。
また、厚生年金保険料は、本人の得ている報酬月額に応じて決定し、ボーナスなどがあればそれも加算されます。
なお、先程紹介した3タイプの加入者は、それぞれ年金制度への加入の仕方が異なるため、保険料の納め方も異なります。
第1号被保険者は定額の国民年金保険料だけを本人が納付します。
第2号被保険者は、職場を通じで厚生年金保険料を納付し、国民年金保険料は厚生年金制度が負担する形になります。
最後の第3号被保険者は、第2号被保険者が加入している厚生年金で一緒に保険料が支払われるので、本人が納付する必要はありません。
○3種類の国民年金加入者
被保険者 | 該当者 | 年金保険料の納付方法 |
第1号被保険者 | 日本国内に居住する20歳以上60歳未満の自営業者・農業者とその家族、学生、無職の人など | 定額保険料を納付 |
第2号被保険者 | 民間会社員や公務員など厚生年金の加入者 | 厚生年金などの加入する制度から国民年金拠出金を納付 |
第3号被保険者 | 厚生年金加入の第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者(年収130万円未満)など | 配偶者が加入する厚生年金が一括負担 |
年金支給の条件も複数あるので要確認
年金という名前から、多くの人が定年退職後に支給されるお金を想像すると思います。
この支給されるお金を老齢年金といいますが、これは公的年金の一部に過ぎません。
この他にも、障害年金と遺族年金があります。
障害年金は、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の人も含めて受け取れる年金です。
国が定めた障害等級表に準じて給付され、無事に治癒した場合でも、軽度の障害が残ったときなどには、障害手当金が支給されます。
遺族年金は、国民年金と厚生年金の被保険者が亡くなった際に給付されるものです。
その人によって生計を維持されていた配偶者や子どもが、年齢条件などに当てはまる場合に給付される年金です。
公的年金の支給条件として定められているのは、10年以上年金保険に加入して保険料を納めていることと、老齢年金や障害年金、遺族年金などが支給される条件を満たしていることだけです。
もし加入期間が足りなければ、60歳から65歳までの間、延長して保険料を納めることができる制度も用意されているので、そちらも調べてみるとよいでしょう。
なお、公的年金を受給するには権利者による請求も必要になります。
受給資格期間を満たしている人には、受給年齢に到達する前に年金請求書が送られてきます。
これに必要事項を記入して返送すると代わりに年金証書が送られ、それを受けてはじめて年金給付が始まります。
もし、受給資格や支給額など、分からずに不安を感じていることがあれば、年金事務所などに確認してください。
まとめ
○公的年金制度は「2階建て構造」
年金にはまず、20歳以上60歳未満の国民全員が加入する国民年金があり、会社勤めなどの場合はこれに加えて厚生年金にも加入します。
この構造から年金は「2階建て構造」などと呼ばれています。
2階部分 | - | 厚生年金 | - | |
1階部分 | 国民年金 | |||
第1号被保険者 | 第2号被保険者 | 第3号被保険者 | ||
自営業やフリーター、無職など | 民間企業の会社員 | 公務員や私立学校の教職員 会社員や公務員などの配偶者 |
○公的年金制度から給付される3種類の年金
公的年金の種類 | 国民年金(定額年金)※1 | 厚生年金(報酬比例年金)※2 |
老齢年金(老後になったとき) | 老齢基礎年金 | 老齢厚生年金(定額部分・報酬比例部分) |
障害年金(障害認定されたとき) | 障害基礎年金(1・2級) |
障害厚生年金(1・2・3級) 障害手当金 |
遺族年金(遺族になったとき) |
遺族基礎年金/寡婦年金 死亡一時金 |
遺族厚生年金(定額部分・報酬比例部分) |
※1:加入者は日本国内に住む20歳以上60歳未満の人
※2:加入者は会社員・公務員など
今までの保険に加入する方法は生保レディなどの保険会社の販売員から直接セールスを受けて加入したり、ネットで自分で調べて加入するという方法が主流でした。
しかし、現在は保険のプロによるコンサル型の保険サービスが広まっており、家庭環境や収入、現在の保険の支払い状況などをチェックしたうえで、商品を選んで提案してくれるので、メリットが多い保険の買い方として注目されています。
保険について悩んでいる方は、一度保険のプロに相談してみることをオススメします。
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この記事はエーエフコースの記事より転載しています。