少額短期保険(ミニ保険)とは?|通常の保険との違いや上手な使い方
この記事では少額短期保険とはどのような保険なのか、また、どのように利用するがよいのか紹介します。
保険は素人では分かりにくい部分が多く、加入や見直しをしようとしても、何から手を付ければよいか悩んでいる人が多いかと思います。
納得できる保険の見直しは、やはり専門家に相談するのが一番良い方法ですが、都合の良いものだけを勧めてくるのではないかという不安があります。
特に下調べもせずに相談に行くと売りたい商品を勧められるだけに終始して、不満だけが残る結果になりがちです。
自分が納得できる結果を得るには下調べが必要で、そのポイントを知り、専門家に相談することで良い結果を得ることができます。
少額短期保険を上手に活用する
民間の保険というと、大きな会社の生命保険や医療保険など、オーソドックスなものを考えがちですが、必ずしもそういうものばかりではありません。
分かりやすいところでいえば、地震に対するリスクに備えたり、女性特有の病気への保障、ペット保険など、調べてみるといろいろな種類があります。
これらの保険を扱っているのは、いわゆる保険会社ではありません。
保険などへの加入を考える場合の主な選択肢としては、保険会社と、全労済やJA共済などいくつかの共済があります。
それに加えて上がってくるのが、少額短期保険業者なのです。
この商品の特徴は、保険の保障額が少額であると保険期間が1年程度と短いことです。
保険の上限額は民間保険会社に比べると、かなり規模が小さくなっています。
参考までに少額短期保険の中には「低発生率保険」という保険があり、これは損害保険において事故発生率が低く、日常生活のなかで損害賠償責任に問われるような事故を対象とする保険のことをいいます。
ただし、自動車事故はこれには含まれていないので注意してください。
なお、他の民間保険と対比されることが多く、信用度が低いようにみられがちですが、きちんと大資本が入って経営が行われている会社もあります。
最初に少し特殊な例をいくつか挙げましたが、かならずしも特殊な保険を扱っている会社ばかりではありません。
生命保険や医療保険、傷害保険といった通常の保険も少額短期保険の対象になっています。
少額短期保険業者は会社の成り立ちから違う
少額短期保険業者は、そもそも成り立ちからしていわゆる民間会社の保険とは異なっています。
運営しているのは、元々は規制がされていなかった任意団体を整備し直してつくられた会社です。
2006年に改正された保険業法にしたがって、一定の事業規模の範囲内で、かつ厳しい基準をクリアしている会社だけが少額短期保険業者に認定されています。
大規模な民間保険会社は、金融庁から免許を受けて初めて運営でき、資本金などをみても、少額短期保険業者よりもずっと大規模です。
一方、少額短期保険業者は一定の基準をクリアし、財務局に登録することで運営可能です。
規模は小さいのですが、その分さまざまな特徴のある保険が設定できていることは、ひとつのメリットだといえます。
また、法改正で急に規制が作られたこともあり、2023年までは激変緩和措置がとられています。
2013年と2018年を起点にそれぞれ上限額が定められており、2013年以前からの被保険者は保険金額の上限額の5倍、2013年から2018年の間に被保険者になった人は3倍、2018年から2023年の間であれば2倍まで、少額短期保険業者でも引き受けることができます。
ただし、一点注意しなければいけないことがあって、保険会社による保険商品と違い、少額短期保険では所得税上の優遇を受けることができないということです。
生命保険や地震保険の保険料は、確定申告時に所得財産から控除することができるのですが、少額短期保険ではこれを適用することができません。
節税の一環として保険を利用したいと考えている人には加入するメリットは少ないといえるでしょう。
なお、保険会社と少額短期保険業者を見分けるのはそれほど難しいことではなく、後者は多くの場合、社名に「○○少額短期保険」と入れています。
また、これまでの説明のとおり、仕組みなどは大きく変わるので、少し調べれば見分けられるはずです。
少額短期保険でメインの保険を補う
少額短期保険はよくも悪くも、規模が小さいことが特徴で、保障は小さく、期間も短いため、これをメインの保険として利用しようと考えている人は少ないでしょう。
ただし、たとえばペット保険などのようなユニークなものではなくても、大規模な保険会社よりも自分が望む保障が受けられる保険が作られている可能性が高いのは確かです。
そういった保険をみつけた場合には、基本となる生命保険や医療保険などに追加する保障として、こういった保険の利用を検討するのもひとつの手です。
まとめ
1.少額短期保険の金額上限
死亡保険 | 300万円以下 |
医療保険(傷害疾病保険) | 80万円以下 |
疾病等を原因とする重度障害保険 | 300万円以下 |
傷害を原因とする特定重度障害保険 | 600万円以下 |
傷害死亡保険 | 傷害死亡保険は300万円以下(調整規定付傷害死亡保険の場合は600万円) |
損害保険 | 1,000万円以下 |
低発生率保険 | 1,000万円以下 |
2.少額短期保険と保険の違い
少額短期保険業者 | 保険会社 | |
参入規制 | 財務局による登録制 | 金融庁による免許制 |
最低資本金 | 1,000万円 | 10億円 |
設立準備金制度 | あり | あり |
生損保経営 | 生損保経営可 | 生損保経営不可 |
ディスクロージャー制度 | あり | あり |
募集人登録制度 | あり | あり |
契約者保護機構 | なし(※) | あり |
保険料控除制度 | 対象外 | 対象 |
※保証金の供託制度あり
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今までの保険に加入する方法は生保レディなどの保険会社の販売員から直接セールスを受けて加入したり、ネットで自分で調べて加入するという方法が主流でした。
しかし、現在は保険のプロによるコンサル型の保険サービスが広まっており、家庭環境や収入、現在の保険の支払い状況などをチェックしたうえで、商品を選んで提案してくれるので、メリットが多い保険の買い方として注目されています。
保険について悩んでいる方は、一度保険のプロに相談してみることをオススメします。
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この記事はエーエフコースの記事より転載しています。