生命保険契約者保護機構
2019/11/17
生命保険契約者保護機構の概要
生命保険契約者保護機構とは生命保険会社が経営破綻した場合でも保険の契約を継続して契約者を保護する機構のことです。この生命保険契約者保護機構ですが、保険業に対して信頼性の維持を目的として、1998年(平成10年)12月1日に設立されました。
保険契約者の保護を目的として、保険会社が経営破綻をした場合には、契約締結が無効とならないように保険の契約を継続させる、且つ契約者の保護を目的としています。全ての生命保険会社は、この生命保険契約者保護機構に加盟しています。
平成 27年 7月 1日現在、生命保険者保護機構の会員会社数は41社となっています。
生命保険会社の経営破綻
保険会社は過去に8社倒産しています。バブル崩壊後の1997年から2001年にかけて、日産生命、東邦生命、第百生命、大正生命、千代田生命、協栄生命、東京生命が相次いで経営破綻しました。最近では、リーマン・ショック後の世界的な金融危機によって2008年に大和生命が経営破綻しました。
保険会社の数が40社程度しかないことを考えると、経営破綻はそれほど珍しいものではないと言えます。
経営破綻後の手続き
生命保険契約者保護機構では、破綻した保険会社の保険契約を引き継ぐ救済保険会社に対して、移転業務を円滑に執り行えるように資金援助を行なうことになっております。
また、救済保険会社が現れない場合には、機構または、承継保険会社(機構の子会社)が保険契約を一旦引継ぎ、救済保険会社を探して再移転することになります。
生命保険契約者保護機構が、救済保険会社に引き継ぐ時に予定利率を引き下げる可能性があり、そのため保険金が減額される可能性もあります。
この生命保険契約者保護機構では、責任準備金が用意されており、保険会社に対して保険契約者が払い込んだ保険料を将来の支払い(解約返礼金、満期保険返戻金等)ために積み立てている資金です。
積み立てた責任準備金ですが、債券、株式、貸付、などで運用されることになっています。全ての生命保険契約者保護機構においては、責任準備金の90%を補償することになっています。
契約への影響について
保険種類別の影響をみると、一般的には保障性の高い保険(定期保険、医療保険など)では、保険金額などの減少幅は小さくなり、貯蓄性が高く保険期間が長期の保険(終身保険、養老保険、個人年金保険など)では減少幅が大きくなります。
また、契約時期別の影響をみると、一般的には予定利率が高い時期に契約した保険契約ほど保険金額などの減少幅が大きくなります。加入の期間が同じ契約でも、満期までの期間が長いほど減少幅が大きくなります。
破綻時の注意点について
破綻後も保険契約を継続することを希望する場合は、保険料を継続して払い込む必要があります。
通常、破綻後、保険契約の移転が完了するまで解約はできません。
破綻後、保険契約の移転後一定期間のあいだに解約をすると、解約返戻金などからさらに一定の割合の削減(早期解約控除)が行われることがあります。契約を引き継ぐ保険会社が、保険契約を有効に継続させていくために、一定の保険契約者数を維持する必要があるための措置です。