変額終身保険
2019/11/20
変額保険
変額保険は保険料の一部が特別勘定(※)とよばれるファンドにおいて株や債券などで運用され、その運用実績によって保険金や解約返戻金の金額が増減します。死亡時には、基本保険金+変動保険金を受け取ることができます。
変動保険金は、保険会社の運用成績によって変動しますが基本保険金は保証されています。一方、解約返戻金は最低保障がなく、運用成績が悪いとその分減額されます。運用成績がよければ受取額が増える保険です。
(※)特別勘定とは運用実績を直接的に契約者などに還元することを目的とし、生命保険会社が保有するほかの財産とは厳格に区別して運用される勘定です。主に株式や債券などを運用先としています。
変額保険は、契約者が特別勘定の選択運用対象の異なる複数の特別勘定の中から選択します。生命保険会社、保険商品ごとに異なり、また、選択できないタイプもあります。
契約者が運用方針について国内・海外のどちらを中心にするのか、株式・債券のどちらを中心にするのか選択することができるのです。契約者によって指定された特別勘定の運用は引受保険会社、証券会社、信託銀行などさまざまな会社によって行われます。
変額終身保険
変額終身保険は、一般の終身保険よりも予定利率が高く設定されているため、保険料は割安になります。したがって、死亡保障を重視した場合は、割安な終身保険としての機能があり、貯蓄性を重視した場合には、運用成績によってリスクもリターンもある投資商品としての機能があるといえます。
投資商品として利用する場合は、株式相場が低迷しているようなタイミングで加入すると比較的有利といえます。
変額終身保険は、「保障が一生涯続く」こと、一般の終身保険より「保険料が安い」こと、運用成績によって「解約返戻金と変動保険金が変動する」ことが特徴です。
変額終身保険のメリット・デメリット
1.変額終身保険のメリット
(1)インフレリスクに対応できる余地がある
変額終身保険は運用次第で受取金額が多くなります。運用が好調な時は景気がよく、インフレが起こっていることも多いため、物価上昇に対応できる余地があります。ただし、物価の動き(インフレ)と経済の動き(運用)が必ずしも連動するわけではないので市場の動きは常にチェックする必要があります。
(2) 一定の最低保障がある
変額終身保険の死亡保障には最低保障という一定のリスク制限はあります。解約返戻金には最低保障がありませんが、解約の時期を選びやすいため保険金額額の多い時に受け取れる可能性が高くなります。
(3) 税制面の優遇(生命保険料控除、生命保険の非課税枠)がある
税制面のメリットもあります。払込み期間5年以上といった条件を満たせば、生命保険料控除の対象になるほか、死亡保険金として遺族が受け取るときは生命保険の非課税枠が適用できます。
運用商品としては、一定の範囲内まで非課税のNISAや小規模企業共済制度、公的年金控除が適用できる確定拠出年金もありますが、これらは運用も自分自身で執り行う必要があります。
運用を専門家に任せられるのは変額保険の大きな魅力ではないかと思います。
2.変額保険のデメリット
最低保障があるのは死亡・高度障害のみで解約返戻金は最低保障がありません。保険料の全てが運用に回るわけではないので、直接運用する場合と比較すると運用効率は悪くなります。