アカウント型保険の選び方
利率変動型積立保険は別名アカウント型保険ともいわれている保険商品です。従来の定期保険特約付終身保険に代わる保険として注目されています。このタイプの保険はとても複雑で、一見どんな保険なのかが非常にわかりにくくなっています。
単純に考えると、保険料の一部を「アカウント」とか「ファンド」と呼ばれるものに貯蓄していきます。保障ではなく貯蓄なので、保険として機能しないため定期保険や医療保険を特約として付加します。これがアカウント型の保険です。
アカウント型保険の特徴
アカウント型保険は「保障部分」と「積立部分」が明確に区別されています。積立部分については、契約者の自由な出し入れが可能です。(所定の手数料がかかります)
従来の保険では、契約時点で決められた枠組みを変更することは難しかったのですが、アカウント型保険では積立部分を保障に回すことなどにより保険料の増額や契約の転換をせずに保障を増やすことが可能です。
積立部分に資金がある場合には、それを保険料に充てることができるため保障金額や保険期間を変更せずに保険料を減らすことが可能です。
また、更新時に各種特約の保険料がアップする場合、積立部分の金額を保障に回すことで、保険料を更新前と同じにすることができますが、積立部分の保険料が少なくなるので注意が必要です。保険料払込期間満了後に積立部分を終身保障に移行したり、年金、一時金として受け取ることができます。
アカウント型保険の利用
アカウント型保険は現状の見直しよりも新たに保険加入する人に向いた保険です。例えば、次のような場合に利用価値が高いと思われます。
1.ライフステージごとの保険見直しを手軽に行いたい人
生命保険に加入した後も、結婚や出産、転職、子どもの独立、退職など、ライフステージが変化するにつれて、保障内容を随時見直していく必要があります。アカウント型保険の場合は、特約の追加や内容変更で見直しが手軽にできます。
しかも、アカウントに積立額があれば、保険料を増やさずに保障の増額を行うことも可能です。
2.家計がピンチの時でも保険を継続したい人
転職やリストラ、もしくは支出のタイミングが重なるなど、資金を捻出する必要が発生した場合、貯蓄型保険でも減額や解約、あるいは契約者貸付を受けて一時金を捻出することも可能ですが、途中解約は解約控除などがかかる場合もあり、契約者貸付は金利がかかります。
アカウント型保険であれば、そのような状況でもアカウントの積立金を払出して使うことも可能です。ただし、アカウントの積立残高が低い場合は捻出できない場合もあるので注意が必要です。
3.アカウントを積立口座の1つとして活用したい人
アカウント口座の貯蓄機能を活用して教育資金やマイホーム資金、老後資金などの積立をすることも可能です。一時金の入金もできるため、臨時で入ったお金なども貯えてくことも可能です。利率は預金金利よりも高く、しかも予定利率は変動のため、今後金利が上がっても反映されます。
商品設計の違い
基本的な考え方は同じですが、商品設計で生命保険会社によっては保障部分が特約となっている場合や単品の保険の組み合わせとなっている場合があります。後者の方が やや契約者にとっての自在性が高いといえます。
また、予定利率の見直しサイクルの違い、積立金の無償引き出しの違いなど、生命保険会社によって違いがあるので、その違いを見て加入するかどうか判断するとよいでしょう。