保険の選び方のポイント|公的給付を踏まえてメリハリをつける!
セカンドライフを前に、入院や介護、事故や災害での思わぬ支出が心配な人もいるでしょう。
不測の事態が生じたときに、保険に入っていれば必要なお金を工面できる場合もあります。
しかし、あれもこれもと加入すれば、支払う保険料も増えてしまいます。
どのようなことに備えておけばよいのか、頭の整理をしてみましょう。
不測の事態への備えは場合分けをして対応を考える
病気やケガ、事故、自然災害などの不測の事態は、いつ何時、我が身に降りかかるかわかりません。
保険は、人生で起こり得るさまざまな不測の事態に備える制度で、相互扶助の考えのもとに成り立っています。
将来起こり得ることに備えるものとして、貯蓄という手段もありますが、自然災害などでは、わずかな備えが何の足しにもならない損害を被る可能性もあります。
そのようなときにこそ、同じ不安を抱える人々が集まり、負担(保険料)と支援(保障)を共有することで助け合う保険というシステムが役に立ちます。
まず、様々な不測の事態を、「ヒト」と「モノ・賠償」の二つに分けます。
1.「ヒト」に関するもの
「ヒト」には、入院・通院が必要な状態になることや、要介護状態になること、病気やケガで障害が残ることなどが該当します。
生命や体にダメージや不都合が発生し、そのためにお金が必要となる事態です。
こうした事態に陥ったときは、年金や医療保険、介護保険といった公的な社会保障制度による給付が受けられます。
「ヒト」に関する不測の事態では、こうした公的給付が第一の支えになります。
どのような公的給付を、どの程度受けられるかを知ることが大切です。
公的給付について知りたいときは、各自治体に置かれている「地域包括支援センター」が利用できることを知っておきましょう。
高齢者や家族が相談できる地域の身近な窓口で、社会福祉士やケアマネジャー、保健師などの専門家が無料で対応してくれます。
地元の自治体で確認してみてください。
このように、「ヒト」の心配事は公的給付を踏まえ、実際に負担することになるお金を大づかみしておいたうえで、自分に合った備え方を検討していきましょう。
2.「モノ・賠償」に関するもの
一方、「モノ」とは、マイホームや家財などが失われるような事態です。
たとえば、自然災害で持ち家を失ったとき、国や自治体の支援を期待する人もいるかもしれません。
ところが日本では、住宅や生活の再建は「自助・共助」が基本とされています。
「公助」、つまり国や自治体による支援はあくまで、それらを側面的に支援するものと位置づけ出ています。
「賠償」は他人に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負う事態です。
たとえば、自動車や自転車などの運転で他人を死傷させたり、モノを壊したりすると、被害者に賠償金を支払わなくてはなりません。
しかし、どのような事故が起こるかを事前に予測することはできません。
事故によっては、億単位の損害賠償を支払わなければならないこともあります。
このように、「モノ・賠償」では、いずれも「ヒト」で得られるような公的な社会保障はなく、自力で何とかしなくてはなりません。
損害が大きければ、貯蓄などの手元の資金で対応するのは難しいでしょう。
保険で備えるほかに手段はないのです。
危機管理の手段としての保険
保険はそもそも、家計が破綻するような最悪の事態を回避するための危機管理の手段です。
滅多に起きないことがあっても、ひとたび起きると深刻な事態が予測される場合は、保険による備えが必要です。
家計が縮小するシニア世代こそ、不測の事態の深刻度に応じて保険を選び、メリハリをつけた加入を心がけましょう。
「ヒト」に関する備え | 「モノ・賠償」に関する備え | |
事象 | 死亡、病気、老齢など | 交通事故や災害など |
保険の種類 | 遺族年金、障害年金、健康保険、介護保険など、公的制度が比較的多い | 自賠責保険、災害支援制度などのみで、公的制度は限定的 |
対応策 | 公的制度を中心に不足する部分を民間保険で補う | 民間保険で備える |
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この記事はエーエフコースの記事より転載しています。