保険金支払い拒否
2019/11/21
保険金の支払い拒否とは保険契約に違反していたり、保険会社の調査の結果として保険金の支払いを拒否されることです。保険加入者側に非があるケースと約款の解釈の違いを争うケースがあります。典型的な例として挙げられるのが「告知義務違反」、「免責事由」、「重大事由」によるものです。
告知義務違反による契約解除
保険金支払い拒否の最大の原因となるのは、「告知義務違反」です。生命保険に加入する際に、契約者自身の現在までの健康状態について記入・報告する「告知書」があります。そこに虚偽の記載をすると、告知義務違反になります。
例えば、過去にガンにかかったことがあるのに、その事実を記載せず、喫煙者であるにもかかわらず、喫煙なしと記載することも告知義務違反になります。また、意図的に虚偽の記載をしたつもりがなくても、記載内容に不備があった場合に告知義務違反と見なされる可能性もあります。
告知義務違反が発覚した場合、保険契約は解除されることになります。その場合、入院や死亡といった生命保険金の支払い事由が発生しても保険金は支払われません。
免責事由に該当
生命保険の約款には、保険金を支払わない事由が定められています。これを「免責事由」といいます。免責事由に該当した場合は、保険金が支払われません。
例えば、死亡保険金の免責事由では「責任開始期から、1年以内の被保険者の自殺」や「保険契約者や受取人の故意による支払事由の発生」などがあります。
重大事由による解除
「重大事由」とは、保険金を詐取するために、わざと事故を起こしたり、詐欺行為を働いた場合や、複数の保険に加入して保険金の合計額を著しく過大な状態し、本来の保険制度の目的にそぐわない場合などを指します。
「保険はできるだけ多く加入するほうが安心」あるいは「掛け金は多ければ多いほど安心」という考えで、過大な保険契約している場合、重大事由が適用され、生命保険金が支払われないこともありますので、自分や家族にとって本当に必要な保険だけ契約するよう見直しをしましょう。
契約内容の確認をする
生命保険に加入する際、保険会社には「重要事項の説明」が義務付けられています。その主な内容として保険金等が削減される場合、保険金が支払われない場合などに関する詳細な説明があります。保険契約書や契約のしおりなどは必ず目を通し、疑問点については説明を受け、納得してから内容に応じることで保険金の不払いトラブルを避けることができます。また保険証書だけでなく、契約の際に受け取った説明書・パンフレットなどは大切に保管しておきます。
生命保険協会について
万が一保険金・交付金の支払いを巡って保険会社と見解の相違が生じた場合、最終的には司法の場で決着をつけることになります。その前に当該保険会社の相談窓口や生命保険協会の生命保険相談所に相談を申し入れてみましょう。
生命保険協会は日本で認可を受けているすべての生命保険会社が加盟している社団法人です。生命保険相談所では、生命保険に対する苦情やトラブルの調停だけでなく、さまざまな相談に対して専門家が客観・中立の立場で助言をしてもられます。