無選択型保険
2019/11/22
一般的に生命保険に加入する時に健康状態や職業などについて保険会社に告知する義務がありますが、無選択型保険は告知や医師による診査が必要ないため、健康状態に不安がある人でも加入することができます。
しかし、すべての人が加入できるかというとそうではありません。健康状態の告知項目以外での審査があるためです。
無選択型保険に加入できない例
1.危険性の高い職業への制限
例えば、レーサーや格闘技を職業としている場合は一般の職業と比べて、明らかに傷病のリスクが高くなります。加入者の公正性を保つという観点から危険職種に該当していると加入できない場合があります。
2.引受限度額を超えてしまう方
すでに他の保険で例えば入院保障が1万円となっている場合、申込先の保険会社がこれ以上保障を持つ必要がないと判断されると加入ができないことがあります。一方で保険会社が保険金・給付金を支払う確率が高くなるので、保険料も非常に割高になります。
また、死亡保障については、契約後2年間など、一定期間内に疾病により死亡した場合は死亡保険金ではなく既に払い込んだ保険料相当額が支払われるなどの制限もあります。
無選択型保険のメリット・デメリット
1.メリット
・健康状態の告知が不要で誰でも加入することができます。
2.デメリット
・保険料が割高です。(払込総額が保険金を上回る場合もあります。)
・既往症の再発または悪化による入院や手術は保障の対象外になります。
・保険金や給付金の上限が低く設定されます。(数百万円程度が多いです。)
・加入後2年間は、死亡保険金ではなく払込保険料相当額が支払われます。
無選択型保険とは、告知なしで加入できる保険ですが制約が多いため、限定告知型保険や引受基準緩和型保険に断られた方が、最後に検討する保険の位置付けとなります。
告知・診査基準による保険の違い
一般の保険 | 引受基準緩和型保険 | 無選択型保険 | |
告知の少なさ | 告知書・医師の診査 | 限定告知 | 不要 |
引受け範囲の広さ | 普通 | やや広い | 広い |
加入できる年齢の幅 | 広い | やや狭い | 狭い |
保険料の割安さ | 割安 | やや狭い | 割高 |
保障条件 | 広い | やや限定的 | 限定的 |
保険期間(死亡保険) | 終身あり | 終身あり | 終身あり |
保険期間(医療保険) | 終身あり | 終身あり | 短期のみ |
既往症 | 保障外 | 保障 | 保障 |
免責など | 契約後90日間は保障外 | 契約後1年間は保障額が半分 | なし |
持病が場合の保険選びの進め方
「一般の保険」に加入できる方にとって、「引受基準緩和型」や「無選択型」に加入するメリットはほぼありません。 また保険の加入条件は各保険会社によって異なりますので、 一つの会社に引受を断られても、別の会社も調べてみることをお勧めします。
1.一般の保険を検討する
過去に病気が原因で保険加入を断られたとしても、以前の病状から改善されている場合、保険商品によっては一般的な保険に加入できる可能性があります。一定期間保障に条件付で保険料が割増しとなる場合もありますが、無選択型保険に比べると有利な条件で加入できます。
2.引受基準緩和型保険を検討する
持病などが原因で一般的な保険に加入できなかった場合は、引受基準緩和型保険を検討します。一般の保険に比べて保険料は若干高くなりますが、健康状態の告知項目も少ないので加入しやすくなっています。
告知なしで加入できる無選択型保険に比べて保険料は安いので、無選択型保険を選ぶ前に検討します。
3.無選択型保険を検討する
引受基準緩和型保険にも加入を断られた場合には、無選択型保険を検討しましょう。健康状態に関わらず加入できますが、デメリットや注意点も多いので、保障内容をよく理解してから加入します。
なお、無選択型保険しか加入できなかった方でも、既往症の悪化や再発がなければ引受基準緩和型保険に乗り換えられる場合があります。既に無選択型保険に加入している方も、引受基準緩和型保険に変更できるか保険会社に確認してみましょう。