保険料率
2019/11/21
保険料率とは保険料を算出する際に用いる割合のことで、単位保険金額あたりの金額で表されるものをいいます。生命保険では、単位保険金額に対する保険料の割合となっています。
例えば、保険金額1,000円あたり1円の保険料であれば「1円」または「1パーミル」と表現されます。(通常、生命保険の場合は10万円など)
また、任意の契約保険金額に対する総費用を表わす保険料とは異なり、単位保険金額に対する保険契約者の支払う費用(保険商品の単価)を表わし、通常、営業保険料率をいいます。
保険料率は、純保険料率(支払保険金に充てられる部分)と付加保険料率(保険会社の事業費に充てられる部分)とにより構成されます。
純保険料は、死亡率と利率を基に将来収入されるべき保険料の原価と将来支出すべき保険金の原価とが収支相等するように算定されます(これを収支相等の原則といいます)。
付加保険料は、新契約費、維持費、集金費等の必要経費から算定されます。保険商品の価格である保険料は、保険金額に保険料率を乗じることによって算出されます。また、保険の見直し等で内容を変更する場合において、保険料率をもとに再計算されることがよくあります。
例えば、更新型の保険の場合、保険料は更新時における年齢や保険料率をもとに再計算されるため、一般的には更新前よりも高くなる傾向があります。途中で高くなる分、最初の保険料は安いという仕組みとなっています。
転換の場合、現在加入している保険を活用して、新しい保険に加入することを意味するが、この場合も同様に転換時の年齢や保険料率をもとに再計算されます。さらに、中途付加される特約の保険料もそのときの年齢や保険料率をもとに再計算されます。
保険料率の算出方法
生命保険の保険料率は年齢別に死亡率を基として計算されます。考え方には大きく「自然保険料方式」と「平準保険料方式」に分類できます。
1.自然保険料方式
加入者の年齢ごとに死亡率に応じた保険料を徴収します。そのため高齢になればなるほど死亡率は高くなりますので年齢とともに保険料率が上がります。一般に死亡率は年齢とともに上昇します。
この保険料算出方法は、毎年収支バランスがとれるように計算されるので、当然自然保険料は高くなります。このため契約者は、年齢が高くなるにつれて保険料の負担も大きくなり、契約を続けることが困難になります。
したがって、毎年の保険料負担の増大を防ぐために、平準保険料方式が考え出されました。
2.平準保険料方式
自然保険料方式の場合、高齢者は保険料が高くなりすぎてしまうため保険料負担に耐えられない状況に陥ります。その解消方式とも言える方式で、保険期間中の年齢別の死亡率を平準化し保険料を徴収するため保険期間の終期(高齢)近くなっても保険料は上がりません。
本当なら高齢になって支払うはずだった保険料を若い年齢の時にあらかじめ支払っておくことになるため、生命保険会社は事前に将来受け取るはずだった保険料を徴収して留保することになります。今日では、ほとんど全ての種類の生命保険が平準保険料方式で契約されています。