終身医療保険
2017/04/13
生命保険会社や損害保険会社は次々に新商品を開発、定期保険特約付終身保険に代わり、医療保険が生命保険の主役の座につきつつあります。このような中で、ひときわ目立つのが終身医療保険です。
保障は一生涯、保険料も生涯同額
1.保障について
終身保険では、保障は生涯続き、契約時と同額の保険料を規定の期間(60歳までなど)払い込みます。このしくみは終身医療保険でも同様で、終身医療保険の場合は終身払込みが一般的です。
終身医療保険は一生ものの保障を得たい人が選ぶ保険です。長い人生、いつどんなケガや病気をするかわからないため、一度の契約で終身の医療費に備えたいと考えるならば、終身型となっている医療保険が向いています。
2.保険料について
保険料は一生変わりません。同年齢で比較したときの保険料は割高になりますが、長いスパンで見ると更新を伴う定期型よりも安くなります。(ただし、加入時の年齢によっては安くなるとは限りません)
老後の入院費を若いうちから確保できるという点で定期型よりも優れています。
3.解約返戻金
定期型は掛け捨てですが、終身型は貯蓄を兼ねたタイプもあり、保険を解約した際に掛金のいくらかが戻ってくる解約返戻金があるタイプもあります。ただし、保険料はその分高くなります。
終身医療保険のメリット・デメリット
1.終身医療保険のメリット
(1)高齢時の保険料負担が少ない
終身医療保険の保険料は一生変わりません。若い時に加入した場合は保険料が安く、そのまま契約を続けた場合、高齢時の保険料の負担が軽くなります。
また、保険料を短期(保険期間より短い期間)で支払を完了すれば、高齢時に保険料を負担しなくても医療の保障が得られます。将来の年金支給が厳しいことを考えると安心といえます。
(2)高齢時の入院リスクに対応できる
終身医療保険の最も大きなメリットは、高齢時になればなるほど入院のリスクが高まるため、そのリスクに備えられるということです。
2.終身医療保険のデメリット
(1)高齢時にも保険料を負担する
安いとはいえ終身払いを選択すると、一生涯に渡り、保険料の支払いが続きます。収入も年金に頼っている状態では、保険料の支払が続くと厳しいかもしれません。
(2)インフレに弱い
インフレが進むと、例えば、現在価値の1万円は8,000円、7,000円と価値が下がる可能性があります。
(3)受取金額が少ない
最近の医療保険は、1回の入院給付限度日数が60日(通算1,000日)に設定されているものが多いです。入院日額10,000円の医療保険に加入している人の場合、手術をすれば手術給付金も支払われますが、計算してみると最大でも60万円(10,000円×60日)となります。
手術給付金が20倍出たとしても、合計で80万円の受け取りになります。この金額であれば貯蓄でカバーできる可能性があります。
(4)入院日数の短期化
がん治療の場合、以前は抗がん剤や放射線治療は入院を要するものでしたが、最近は身体に負担のかからない治療法が確立され、抗がん剤治療や放射線治療は、入院が短期化して、通院が当たり前になってきているようです。
積極的な治療が長い期間を要する病気もありますが、確率としてはかなり低くなっているという現状があります。