中高年のための医療保障
2017/04/14
生命保険への加入は、世帯主の死亡保障が目的となることが多く、中高年向けの性格が高いものです。最近では医療保障でも、中高年向けの商品が生命保険各社から相次いで発売されています。
無選択型医療保険
一般的に生命保険に加入する時に健康状態や職業などについて生命保険会社に告知する義務がありますが、無選択型保険は告知や医師による診査が必要ないため、健康状態に不安がある人でも加入することができます。
しかし、すべての人が加入できるかというとそうではありません。健康状態の告知項目以外での審査があるためです。
無選択型医療保険のメリット・デメリット
1.無選択型医療保険のメリット
・健康状態の告知が不要で誰でも加入することができます。
2.無選択型医療保険のデメリット
・保険料が割高です。(払込総額が保険金を上回る場合もあります。)
・既往症の再発または悪化による入院や手術は保障の対象外になります。
・保険金や給付金の上限が低く設定されます。(数百万円程度が多いです。)
・治療中の病気や、保障開始前に発病した病気を原因としての入院や手術は保障の対象外となる保険商品があります。
無選択型保険とは、告知なしで加入できる保険ですが制約が多いため、限定告知型保険や引受基準緩和型保険に断られた方が、最後に検討する保険の位置付けとなります。
引受基準緩和型保険(限定告知型保険)
引受基準緩和型保険とは、うつ病やその他の持病がある人でも生命保険に加入しやすいように引受基準が緩和された保険を「引受基準緩和型保険」のことです。同様に告知する項目が少ない(緩和した)保険を「限定告知型保険」と呼んでいます。
同程度のリスクを持った加入者同士が助け合うことで、保険金や給付金の受け取りに不公平が無いようにしています。
引受基準緩和型医療保険のメリット・デメリット
1.引受基準緩和型医療保険のメリット
・持病があっても加入でき、持病が悪化した場合でも保障対象になります。
・持病以外の疾病は保障対象になります。
・簡単な告知だけで加入できるので手続きが楽です。
告知は通常の医療保険より告知事項が少なく、通常3~5個の簡単な質問に「はい」「いいえ」で回答するだけです。ただし、がんなどの病気の治療中の場合は、告知で聞かれるので保険に加入出来ません。
2.引受基準緩和型医療保険のデメリット
・健康体の方が加入出来る保険に比べて保険料がかなり割高です。
・保障内容が健康体の方が加入出来る保険に比べると低い水準になります。
・ほとんどの医療保険の引受基準緩和型保険では、保険料の支払いが保険期間内はずっと支払い続けなければいけません。年金生活になって割高な保険料の支払いが負担になる可能性があります。
・加入後一定期間は保険金額が少なくなります。
告知・診査基準による保険の違いについて
一般の生命保険、引受基準緩和型保険、無選択型保険の3種類についての違いをまとめると以下のようになります。
一般の生命保険 | 引受基準緩和型保険 | 無選択型保険 | |
告知の少なさ | 告知書・医師の診査 | 限定告知 | 不要 |
引受け範囲の広さ | 普通 | やや広い | 広い |
加入できる年齢の幅 | 広い | やや狭い | 狭い |
保険料の割安さ | 割安 | やや狭い | 割高 |
保障条件 | 広い | やや限定的 | 限定的 |
保険期間(医療保険) | 終身あり | 終身あり | 短期のみ |
既往症 | 保障外 | 保障 | 保障 |
免責など | 契約後90日間は保障外 | 契約後1年間は保障額が半分 | なし |
持病が場合の保険選びの進め方
上記で説明したように無選択型保険は保険料が高くなります。はじめから無選択型保険に申込みをするのではなく、一般の医療保険→引受基準緩和型医療保険→無選択型医療保険の順に保険の申込みをします。手間は掛かりますが、できるだけ安く保険加入を目指す方向で検討しましょう。