保険と貯蓄のバランスのとり方|貯蓄機能を持つ保険のメリットを生かす!
この記事では保険と貯蓄のバランスをどのように考えればよいか、そのポイントを紹介します。
将来への備えとしては、貯蓄の保険は三角形と四角形にたとえられます。
保険は加入した瞬間から一定の保障が保たれており、どれだけ時間がたっても、契約が続いている限り保障が続きます。
その代わり、毎月の保険料を支払っているため、保険金を受け取ったときの収支としては徐々に減少していきます。
一方、貯蓄であれば、保険料のような支払いはありません。
しかし、貯蓄が十分になるまでは備えにもならないため、その時点で問題が起きれば、生活に支障を来す場合もあります。
この保険と貯蓄は一長一短で、どちらがよいというより、それぞれにメリットとデメリットがあり、使い分けることが大切です。
また、保険は商品ごとに差があり、月々の保険料と、それに対する返戻金や保障の金額もそれぞれ異なります。
一概にどれがよいとはいいきれません。
また、保険金の場合は貯蓄と違い、受け取る時点で所得や贈与、相続財産扱いになり、課税対象になります。
こういった点まで含めて貯蓄と保険の使い方を考える必要があります。
保険でカバーすべきものとは?
保険でカバーしなくてはならないのは、万一のことがあったときに貯蓄だけでは対処しきれないほどの多額の費用が発生するケースです。
たとえば、一家の稼ぎ手の死亡時場合があります。
生活を維持するための費用が多く、一般家庭の貯蓄だけでまかなうことは困難です。
そのため、これらの保障(補償)に関しては、保険でリスクを軽減できるようにしておくことが大切になります。
貯蓄でもカバーできるものとは?
保険でカバーするべき保障(補償)がある一方で、家計の状況によっては、保険でなく貯蓄で備えてよい保障もあります。
たとえば、国や会社などが手厚い保障制度を設けている医療分野、すぐには必要でない学資金や老後資金などが、貯蓄でカバー可能な保障の代表といえます。
なお、扶養家族を抱えており、自分の入院中も生活費がかかる場合や、住宅購入等で貯蓄が少なく、大きな病気やケガに対する保障が心もとない場合などは、万一の入院・手術に備えて医療保障を検討してもよいでしょう。
また、保険期間が10~18年と比較的短い学資保険は、貯蓄型保険の中でもメリットの多い保険の一つです。
生命保険料控除の対象にもなるため、子どものいる家庭では貯蓄に回す支出の一部を学資保険に置き換えてもよいでしょう。
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積立貯金 |
終身保険 |
給与振込口座からの自動引落し |
できる |
できる |
積立期間・保険料支払期間 |
自由・あるいは最初に決める |
60歳や65歳など、保険加入時に決める |
金額調整 |
増額・減額とも自由にできる |
減額可、ただし、増額は別途、新規加入 |
中途解約 |
元本保証、ただし、金利は普通預金並みに下がる |
保険料支払期間中は元本割れ(支払保険料総額よりも多い) |
死亡時 |
積立残高を遺族が相続 |
予め定めた死亡保険金額を受取人が受け取る(支払保険料総額よりも多い) |
税制 |
利息に対して約20%の税金 |
支払保険料に対して、生命保険料控除可 |
金融機関破綻時 |
1人1金融機関まで、元本1,000万円とその利息を保護 |
責任準備金の90%を保護 |
まとめ
貯蓄と保険はライフプランとのバランスが不可欠になります。
保険と貯蓄は、どちらかに特化せず2つを併用してリスクを最小限にとどめる方法がオススメです。
また、家計に余裕がある場合は、銀行預金よりもやや有利な貯蓄型保険を活用することで、必要な資金を貯めていくこともできます。
自分に必要な保障(補償)を見きわめ、月々の家計に負担にならない範囲で保険をかけることや、住居購入や子どもの誕生などの将来的なライフプランをもとに資金計画を組んだり、節約などによって支出をコントロールし、貯蓄を増やしていくことも大切です。
過不足のない保障プランのために、保険でカバーする保障(補償)と、貯蓄に回せる部分をクリアにし、それぞれの家庭に最適な保険をピックアップしていきましょう。
このように保険と貯蓄、それぞれのメリットを充分に活かすような工夫をしましょう。
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この記事はエーエフコースの記事より転載しています。