保険コラム

高額介護サービス費とは?|介護の自己負担が高額になったら申請しよう!

この記事では高額介護サービス費の支給制度について紹介します。

介護保険サービスの自己負担は基本的に1割ですが、いろいろなサービスを利用している場合はそれなりの費用となってしまいます。

こうした費用負担を軽減するためにあるのが高額介護サービス費の支給制度です。

公的介護保険の利用により民間介護保険の節約につながりますが、公的介護保険でどこまでの保障が分らなければ、民間介護保険でどこまで手当すればよいか分かりません。

無駄に保険に加入してしまうこともあります。

納得できる保険の利用方法は、やはり専門家に相談するのが一番良い方法ですが、都合の良いものだけを勧めてくるのではないかという不安があります。

特に下調べもせずに相談に行くと売りたい商品を勧められるだけに終始して、不満だけが残る結果になりがちです。

自分が納得できる結果を得るには下調べが必要で、そのポイントを知り、専門家に相談することで良い結果を得ることができます。

高額介護サービス費の支給制度の利用で費用の払い戻しを

高額になりすぎた医療費の還付を受けられるのが、「高額療養費制度」で、介護保険でも、これに類する制度が用意されています。
それが「高額介護サービス費支給制度」です。

介護保険では、自己負担を最高で1割にまで減少することができますが、たとえば、自宅に介護ヘルパーに来てもらって支援を受けたりしていると、当然その費用が高額になってしまいます。

1割とはいえ家計の負担は大きくなりますが、その負担を避けるために家族が介護に忙殺されるというのも本末転倒です。

そのような事態を避けるために、高額介護サービス費支給制度が用意されているのです。

この場合の自己負担上限額は、要介護度とは無関係で、対象者の所得によって決められています。

具体的な金額は下表の通りになりますが、上限額には世帯全体の所得も関わっているので、その確認が必要になります。

高額介護サービス費の限度額
対象となる人 負担の上限(月額)
現役並み所得者に相当する世帯の人 44,400円(世帯)
世帯の誰かが市区町村民税を課税されている人 44,400円(世帯)
世帯の全員が市区町村民税を課税されていない人 24,600円(世帯)
前年の合計所得金額と公的年金収入額の合計が年間80万円以下の人など

24,600円(世帯)

15,000円(個人)

生活保護を受給している人など 15,000円(個人)

※「世帯」とは、住民基本台帳上の世帯員で、介護サービスを利用した人全員の負担の合計の上限額を指し、「個人」とは、介護サービスを利用した本人の負担の上限額を指す。

なお、世帯合算でこの制度を利用した場合、還付される金額は、各個人ごとに計算されます。

その高額介護サービス費の計算方法は、以下の式の通りになります。

(世帯の自己負担額合計(1割または2割))-(世帯の上限額) ・・・①
(自己負担額(1割または2割))÷(世帯の自己負担額合計)  ・・・②
①×②=(高額介護サービス費)

世帯の自己負担合計額のうち、上限超過分を、それぞれ支払った自己負担額の割合に応じて配分します。

この制度の対象には介護施設費などは含まれますが、居住費や食事代、差額ベッド代、生活費等の自己負担分に関しては適用されないので要注意です。

また、在宅サービスに関しては福祉用具の購入費や住宅改修にも適用されません。

ただし、住宅改修等には用途に応じて個別の支援制度が用意されている場合もあるので、そちらも確認してみてください。

介護保険に関しては、困ったら自治体に相談を

高額介護サービス費は自動的に適用されるものではなく、必ず申請が必要になります。

この手続き自体はそれほど難しいものではありません。

一定以上の介護費用を支払っており適用対象となっている人には、地方自治体から申請書が送付されます。

それに必要事項を記入し、住んでいる地域の市区町村役場に提出します。

自治体によって手続きに多少の違いがあるので、もし疑問がある場合は、担当窓口に問い合わせしてください。

なお、この申請には支払いを証明するための領収書も必要になります。

介護保険を利用した人は、介護サービスに対する領収書を保管しておくことも忘れないようにしましょう。

また、この申請にも時効があり、申請書が送付されてから2年が経つと無効になってしまいます。

手続きを忘れてしまったために払い戻しが受けられなくなるようなことがないように、申請書が届いた時は手早く対処するようにしましょう。

なお、介護サービスは経済的な面だけに限らず負担が大きくなりがちになるため、支援を受けている対象者のうち、所得が低い人に対しては、別途支援制度が用意されています。

ホームヘルパーによる訪問や福祉施設への入所など、どのような支援を受けるかによって、かかる費用が大きく変わりますが、それぞれに関して負担を軽減することができるのです。

また、介護保険は自治体によって実施している支援がそれぞれ異なるため、これらの制度のほかにも、各市区町村が独自で制度を設けている場合があります。

詳しい内容については、それぞれ自治体に問い合わせて、保険担当窓口に確認してください。

まとめ

高額介護サービス費支給制度とは、介護保険サービスに対して支払った1カ月ごとの自己負担額が決められた上限を超えると支給を受けることができるという制度です。

対象となるのは、要介護1~5、または要支援1~2の認定を受けており、介護保険サービスを利用している人で同一世帯の自己負担額については合算することができます。

また、介護保険では、介護サービスを利用する所得の低い人に対して、下記の利用者負担額の軽減措置を受けられることになっています。

制度名 対象サービス
社会福祉法人等による利用者負担額軽減制度 介護老人福祉施設への入所
訪問介護
通所介護
短期入所生活介護 ※
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
夜間対応型訪問介護
認知症対応型通所介護 ※
小規模多機能型居宅介護 ※
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
地域密着型通所介護
複合型サービス
第一号訪問事業のうち介護予防訪問介護に相当する事業
第一号通所事業のうち介護予防通所介護に相当する事業
上記の利用者負担額並びに食費、居住費(滞在費)および宿泊費に係る利用者負担額
障害者ホームヘルプサービス利用者に対する軽減制度 訪問介護
夜間対応型訪問介護

※印は介護予防サービスを含む

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今までの保険に加入する方法は生保レディなどの保険会社の販売員から直接セールスを受けて加入したり、ネットで自分で調べて加入するという方法が主流でした。

しかし、現在は保険のプロによるコンサル型の保険サービスが広まっており、家庭環境や収入、現在の保険の支払い状況などをチェックしたうえで、商品を選んで提案してくれるので、メリットが多い保険の買い方として注目されています。

保険について悩んでいる方は、一度保険のプロに相談してみることをオススメします。

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この記事はエーエフコースの記事より転載しています。

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