就業不能状態とは何ですか?
就業不能状態とは、病気やケガにより働けない状態のことを言います(※)。なお、就業されていた元の職場に復帰することができない場合に給付金が支払われる訳ではなく、所定の就業不能状態であることが給付金の支払条件になります。
勤務先で配置転換などが可能で仕事が続けられる場合は就業不能とはならないので注意してください。
※以下のように医師による医学的見地からの判断が必要となります。
・病気やケガの治療を目的として、日本国内の病院または診療所において入院している状態
・病気やケガにより、医師の指示を受けて自宅等で在宅療養をしている状態
なお、「うつ病」などの精神障害が原因の場合や、「むちうち症」や「腰痛」などで医学的他覚所見がみられない場合は、就業不能状態に該当しません。
(参考)給付金が支払われた事例
・脳内出血などによる後遺症で高次脳機能障害が残存(失語・失読・失計算)した。
・慢性関節リウマチにより、両手関節の痛みが続き、長時間の歩行やパソコンを使用した作業が困難となった。
・心筋梗塞の急性発作で、退院後も治療・経過観察で自宅療養が続いた。 など
就業不能保険の「就業不能」はハードルが高い
障害や重い病気で従来の仕事が続けられずに会社を辞めた場合でも、何らかの仕事ができる状態であれば給付金は出ません。今の仕事ができなくなったらからといって給付金が出ることはありません。また、うつ病などの精神障害は給付対象外となっています。
実際のところ、長期の入院・在宅療養による就業不能者の多くは、精神疾患による患者なのです。1年半より長く入院する20歳~60歳の男性患者のうち約70%は、原因が精神疾患となっています。
また、医者・看護師などから訪問診療を受けている20歳~60歳の在宅療養患者のうち、37%は精神疾患です。治療期間が長くなればなるほど、精神疾患の割合が高まると推測できます。20~60歳の長期間の就業不能者の多くは精神疾患が原因です。
就業不能状態の大半が精神疾患となっているため、給付対象外となるケースが多いことが推測できます。つまり、給付対象となる就業不能状態に該当するケースはかなり少ないものと思われ、給付へのハードルは高いといえそうです。