満期保険金はないが解約返戻金はある
2017/02/20
満期保険金は、保険契約が満期になったときに被保険者が生きているともらえるお金です。したがって、終身保険には満期保険金はありませんが、途中で解約すると戻ってくる解約返戻金はあります。
定期保険では期待できない解約返戻金ですが、終身保険ではそれなりの金額となります。保険料が高いため、高額な保障には不向きですが、確実に保険金を残せることや解約返戻金が貯まることから活用範囲の広い保険です。
解約返戻金とは
保険契約を解約した際に支払われるお金です。金額は、一部の終身保険を除いて、契約時に確定しています。
終身保険の解約返戻金は、契約後の経過年数とともに増加していきますが、生命保険の保険料は預貯金のようにそのまま積み立てられるのではなく、その一部は毎年の死亡保険金などの支払いや生命保険会社の運営に充てられます。
保険料の払込期間中の解約は、それまでの払込保険料の累計よりも解約返戻金の金額の方が少ないことが多く、払込期間以降は解約返戻金の金額が上回ることが多くなります。
参考までに下表からもわかるように、終身保険の解約返戻率(解約返戻金を支払保険料で割った金額)は、契約して40年を経過すれば、100%を超えることなります。
解約返戻金の金額例
解約返戻金の推移は、保険証券や契約時の見積り書類、生命保険会社より毎年1回送付される「ご契約内容のお知らせ」などで確認することができます。
また、解約返戻金の金額は契約時に確定し、約款の最後に金額例の表が提示されます。解約返戻金は重要なものなので、通常は、「経過年数○○年のときは、解約返戻金の額△△円」というようにわかりやすく(図や表を使って説明するケースもあります)「契約のしおり」などにも記載されています。
終身保険の解約返戻金は、払込期間終了後、解約せずに置いておく期間が長くなるほど、解約返戻金の金額は増えていきます。終身保険には、本来の目的である死亡保障があり、被保険者に万一のことが起こった場合は多額の保険金が給付されます。
金額だけであれば、貯蓄型の保険の中では終身保険の死亡保険金が一番得をすると言えます。
貯蓄性が高いのでさまざまな用途に用いられる
一般的に終身保険の解約返戻金の金額は、契約後の経過年数とともに増加するため、貯蓄性が高く、死亡保障だけでなくさまざまな目的で保険が活用できます。特に最近よく使われるのが低解約返戻金型終身保険です。
メリットは多いですが早期解約をすると、解約返戻金の金額が大幅に下がり、元本割れを起こすデメリットもあるのでしっかりと理解してから加入をしましょう。
主な終身保険の活用方法は以下のものになります。
・葬儀関連費用
・相続税対策
・将来の積立
・学資保険