生涯にわたる死亡保障
2017/02/17
終身保険は定期保険と同様の死亡保険です。保険の対象となる人(被保険者)が死亡あるいは高度障害状態になった時、保険金受取人に死亡保険金が支払われます。定期保険との違いは保障される期間が終身(一生涯)としているために、遺族保障に優れた機能を備えています。また、掛け捨てでなく貯蓄性のある保険です。
一生涯続く死亡保障
終身保険とは、一生涯、死亡保障が続く生命保険です。どんなに長生きな人にも、いずれは死が訪れます。そのときを避けることはできません。終身保険に入っておくと、何歳で死んだとしても死亡保険金を受け取ることができます。
そういう意味では保険料の払い損がない保険といえます。また、終身保険には、長く保険に加入しているとお金が貯まっていくという性質もあります。このことを利用すると、将来必要となる資金を終身保険で貯めていくこともできます。
必ず保障が行われるものなので、遺族保障に優れた機能を備えている保険といえます。
終身保険の特徴
終身保険には以下のような特徴があります。
1.保険期間は加入から死亡するまでの期間(満期はない)
2.貯蓄性があり、解約すると解約返戻金がもらえる(ただし保障はなくなる)
3.保険料を払い終える年齢を決められる(一生払い続けなくてもよい)
4.保険料の払込終了後は支払った保険料より解約返戻金の額のほうが大きくなる(満期保険金はない)
終身保険の種類
終身保険のしくみによる分類 | 普通終身保険 | 生涯にわたる死亡保障 |
定期付終身保険 | 終身保険に定期保険を上乗せしたタイプ | |
連生終身保険 | 2人で1つの終身保険に入るタイプ | |
保険料の払込期間による分類 | 終身払い終身保険 | 保険料の払い込みを終身とするタイプ |
有期払い終身保険 | 保険料の払い込みを一定期間で終えるタイプ | |
一時払い終身保険 | 保険料を加入時に一括して払い込むタイプ |
生涯にわたる死亡保障の利用法
何のために保険を利用するのかをよく考えておくことが大切です。一生涯の死亡保障が欲しいからといって、必ずしも終身保険がマッチしているとは限りません。終身保険の特徴をよく理解すれば終身保険を選ぶべきでない場合があることもわかります。
自分に万一のことがあったとき、養っている家族の生活費を保障したいという場合は、終身保険を選ぶべきではありません。終身保険の保険料が高いことと遺族の生活保障は遺族の一生涯まで必要ないことが終身保険を選ぶべきでない主な理由です。
終身保険には貯蓄機能があるため、どうしても保険料が高くなります。保障を目的にすると割高になります。そして、遺族の生活費は、遺族の一生涯を考慮した金額まで必要であるとは限りません。公的年金があり、残された遺族の方は自分で働いて収入を得ることもできます。
子どももいつかは独立して生活するようになります。遺族のために必要な保障は、子どもが小さくて遺族が生活費を稼ぐ時間が取れないなど、限られた期間であるということです。この場合は保険料の安い定期保険や収入保障保険の利用が合理的といえます。
終身保険は死亡保障のための保険ですが、この死亡保障とは遺族の一生涯のために利用するのが目的ではなく、葬式代などの死亡整理費用を得るために利用するのが目的だと考えるべきです。