定期付終身保険の勘違いしやすいポイント
2017/03/03
普及している生命保険の一つに定期保険特約付終身保険(以下、「定期付終身保険」)があります。この定期付終身保険について、多くの人が勘違いしやすいポイントを押さえておきましょう。「定期付」の部分に落とし穴があります。
「定期付終身保険」の構成
基本となる主契約に終身保険、そして定期保険や医療保険など複数の特約が付加されています。1つの契約で色々な保障がついているという点では便利な保険といえます。しかし、複雑すぎて契約内容をよく理解されていないケースも多いようです。
定期付終身保険は、主契約部分の終身保険(貯蓄部分)に、定期保険(掛捨て部分)を特約として、医療保険やがん保険など、多数の特約をセットにした構成になっています。
このようにしくみが複雑なため、各保障の中身や期間など重要な内容が把握されないままに契約する方が多く、 後々こんなはずではなかったとトラブルが発生する要因となっています。
1.死亡保障が一生続くわけではない
○○倍という高倍率の保障は保険料払込期間の満了まで!
定期保険特約の保険期間は、全期型でも更新型でも、主契約の保険料の払込期間の満了までがほとんどです。そこで、定期付終身保険(3,000万円/200万円)15倍型の場合に、死亡保障3,000万円は保険料の払込期間の満了までとなります。その後の死亡保障については、終身保険の200万円だけです。
2.毎月の保険料は一定ではない
更新型では自動更新のたびに保険料が上がる!
契約当初の保険料が安い更新型では、普通の定期保険と同様に自動更新があります。更新後の保険料はそのときの年齢で決まるので、更新ごとに保険料が急増。総額では、全期型のほうが安くなります。
3.貯蓄型の保険ではない
○○倍という高倍率でも解約返戻金は○○倍にはならない!
「『15倍型』なら解約返戻金も15倍になるだろう」と思っていたら大間違いです。定期保険特約の解約返戻金はほとんどありません。解約返戻金の金額を決めるのは主契約の金額だけです。
このために高倍率の定期付終身保険、すなわち定期保険の部分が多い場合は解約返戻金の返還率はたいへん低くなります。
定期付終身保険の15倍型とは?
定期付終身保険(3,000万円/200万円)15倍型の意味
3,000万円:主契約+定期保険特約の合計額:b
(すなわち定期保険特約の額=b-a)
200万円 :主契約・終身保険の額:a
15倍型 :(b/a)
定期付終身保険の基本事項
定期付終身保険は、ある一定期間に死亡保障を大きく確保すると同時に、終身の死亡保障も確保したい場合に加入します。
取扱機関 | 生命保険会社、郵便局、保険代理店、銀行など |
リスク対象 | 死亡、高度障害など |
保険期間 | 一生涯(全期型)、一定期間(更新型) |
加入年齢 | 商品により異なる |
保険金 | 死亡保険金、高度障害保険金 |
貯蓄性 | あり |
メリット | 一生涯の保障と一定期間の高額保障が同時に得られる |
必要な時期に多額な保障を効率的に確保できる | |
デメリット | 定期保険特約の満期後の保障が小さくなる |
終身保険と定期保険のバランス設定が難しい | |
備考 | 各種特約が付けられる |
更新時に無診査で継続できる(最初の保障額の範囲内が条件) | |
契約者貸付を利用できる |