養老保険のポイント整理
2017/03/30
養老保険では、被保険者が満期の時に生存していた場合に死亡保険金と同額の満期保険金が支払われるという点が、大きな特徴となっています。このほかにも定期保険や終身保険などの商品と比べてどのような違いがあるのか説明します。
重要項目の整理
1.保険期間
保険期間は加入から満期までの期間となりますが、養老保険などの貯蓄性のある生命保険で払込みが満了するタイミングと保険期間の終了するタイミングを同じに設定していた場合、保険期間は加入から払込み満了までの期間となり、「満期を迎える」=満期保険金がもらえる意味合いになります。
加入してから死亡保障を得つつ、保険期間が終了するまで生存していた場合は生存保険金(満期保険金)がもらえることになります。
2.自動更新
定期保険特約付養老保険の場合、定期保険特約の期間が10年や15年など、養老保険の保険期間よりも短く設定されているタイプが多くあります。特約期間が満了してもその時の健康状態に関係なく定期保険特約を更新することができます。
更新の時にはその時の年齢や保険料率で保険料が再計算されますので、通常は更新の前よりも保険料が高くなります。契約者から申し出がなければ一般的に自動更新となりますので、更新しない、あるいは減額して更新したいなどの希望がある場合は更新の前に申し出る必要があります。
3.保険料
貯蓄機能と保障機能の両方を兼ね備えた養老保険は、非常に魅力的な保険商品である反面、その保険料の高さがネックとなっています。
満期の時には保障額と同額の満期保険金が受け取れる事から掛け捨てで解約返戻金もない定期保険や、一生涯保障で解約返戻金はあるが満期保険金はない終身保険と比較しても、満期保険金も保障もある養老保険はダントツに保険料が高くなります。
経済的に余裕のある層には人気の養老保険ですが、子育て世代や若年層には、なかなか浸透しない面があります。
4.配当
定期保険などの掛け捨てタイプの商品と比較すると配当は高いと言えますが、現在は保険料の運用で収益を上げるのは非常に厳しい状況であるため、無配当型の養老保険が主流になっています。配当金の上乗せがある保険について大きな期待はしないほうがいいかもしれません。
5.満期保険金
月々の保険料は掛け捨ての生命保険に比べれば高いですが、基本の死亡保障にどのような特約をつけているかにもよりますが、保険期間中は死亡保障がついていて、満期の場合にはほぼ確実に支払った保険料の総額よりも多くの満期保険金を受け取ることができます。
保険料を支払う形で大きな保障を得ながら、貯蓄をしていることになります。
6.解約返戻金
養老保険の場合でも終身保険と同様に途中解約による解約返戻金があります。しかも、養老保険の場合、終身保険とは異なり、積立部分がより大きくなりますので契約期間により若干の差がありますが、払込保険料総額と解約返戻金の金額は非常に近くなります。
養老保険の解約返戻金は終身保険や定期保険と異なり、かなりの高額となります。これは支払保険料の多くが将来の満期保険金のために積み立てられているからです。
例えば、一般的な終身保険の場合、解約返戻金は契約から1年程度の経過では0円ないしほとんどわずかな金額であるのに対して、養老保険の場合は支払保険料の90%以上が解約返戻金として支払われます。
※割合については加入する養老保険の種類や時期、契約期間などにより異なりますが、高額となるのはほぼ間違いありません。
養老保険の分類
養老保険を分類すると、次のようになります。
養老保険のしくみによる分類 | 普通養老保険 | 満期時の生存には満期保険金 |
定期保険特約付養老保険 | 養老保険に定期保険を上乗せしたタイプ | |
保険料の払込期間による分類 | 全期払込養老保険 | 保険料の払い込みを保険期間の満了までとするタイプ |
短期払込養老保険 | 保険料の払い込みを保険期間の満了前に終えるタイプ | |
一時払込養老保険 | 保険料を加入時に一括して払い込むタイプ |