解約返戻金に関する注意点
2017/04/19
解約返戻金とは、保険の解約の際に生命保険会社から払い戻されるお金のことです。これは「保険加入者が解約をした場合」、「生命保険会社の都合で契約を解除された場合」のどちらでも支払われます。
返還率は通常、年数が経過すればするほど、その返戻率が上昇して、保険商品によってはそれまでに支払った保険料の累計を上回る場合もありますが、途中解約をした場合などは、払い込んだ保険料のすべてが返ってくるケースは稀です。
解約返戻金の計算方法
解約返戻金の計算方法は概ね以下の通りです。
解約返戻金=支払済み保険料の総額-(経費+契約から解約までの保障部分)+配当
経費 : 契約時点でかなりの費用がかかります。
契約から解約までの保障部分 : 契約してから解約までの間、万が一、自分が死亡した場合には、保険金が支払われます。この部分の保険サービス(費用)は戻ってきません。
配当 : 特別配当は契約して10年経たないともらえません。
解約返戻金が少ない理由
通常は払い込み年数が短いほど、払い込んだ保険料総額に比べて金額が少なくなります。その理由として、契約直後は支払った保険料の多くが加入時にかかる費用(例えば、生命保険では保険契約の診査や保険証券の作成費など)に充てられるためです。
契約者としての注意点
生命保険の解約について、各生命保険会社の約款において、「将来に向かって解約する事ができます」というような文言で記載されています。その約款に基づいて、契約者はこれから先の契約を解約する権利を持っています。ただし、過去に遡っての解約はできません。
ところで平成22年4月1日に「保険法」という新たな法律が施行され、この法律の規定は、原則的に施行の日以降に契約した生命保険に適用されます。
変更された内容については保険料の払込方法が「年払・半年払」の場合、平成22年3月以前の契約では、保険料を払込んだ期間の途中に解約などで保険契約が消滅したときには、未経過分の保険料は返還されませんでしたが、平成22年4月以降の契約では、未経過の月数に対応する保険料相当額が契約者(保険金の受け取りの場合は受取人)に返還されるようになっています。
特に注意しておきたいのが、生命保険商品によっては、平成22年4月以降に契約されていたとしても保険料相当額が返還されないものがあるということです。さらに生命保険会社によって、解約する為の書類の〆切などが異なりますので、生命保険会社に確認するよう注意しましょう。
そして、現在の契約を解約、減額することを前提に新たな保険契約を検討している場合は、契約者にとって不利益となる事がありますので注意が必要です。保険期間は長期にわたるので、当初想定していないことが起こり得ます。契約にあたっては、なるべく柔軟に対応できるようにします。
例
・会社が倒産して失業し、保険料を支払うことができなくなった。
・脱サラしたいが、開業資金が不足している。もう少し預金をしていればよかった。
保険の契約期間中に一時的に資金が不足するかもしれません。そのような場合には契約者貸付の利用も考えましょう。どれだけ借りられるかは生命保険会社に確認できます。ただし、貸付利率が高いので注意が必要です。
また、一時的な資金不足で保険を解約した後、資金不足が解消され、再び保険に加入する場合、健康診断で加入を断られることがあるので保険の解約には注意が必要です。