老後の保険はバランス重視!|定年を意識したら見直したい保険とは?
保険は、万が一の時にも自分や家族の生活を守ってくれる大切な備えです。特に家族を背負う大黒柱にとって、頼りになる存在だといってよいでしょう。しかし、民間保険では生活状況の変化によって必要な保障も大きく変わることに注意しなければなりません。
働き盛りと定年退職後とでは、求められるものが全く異なります。世代や状況による必要な保障の違いをきちんと考えておくことが、定年を迎えるにあたって保険を見直す際には重要になります。
もし、見直しが必要だと感じているのであれば、まずは自分が加入している保険の保障内容や基本的な保険選びのポイントの確認が大切になります。
老後生活を左右する保険はバランスを重視する
定年後であっても単純に保障が厚くできるなら厚いほうがいいと思うのも当然です。病気やケガなどになったとき、大きな保障が得られるならば、それに越したことはありません。
しかし、保障が厚いということは、当然それに対する保険料は高額になります。定年退職後、年金を基本に生活していくことを考えるならば、その負担はできるだけ減らしておきたいところです。
特に、保険会社から勧められるままに保険に加入していたという人は要注意です。基本的に保険会社は保険のオプションなどを多めに設定させようと考えるため、保険料は高額になりがちです。
今後の収入に対する予測を立てつつ、必要のないオプションや特約は解約して、より保険料が安いプランへの乗り換えを考えましょう。
その場合には、加入している保険の保障内容が、どの程度充実しているのか、それに対してどれくらい保険料を支払っているのかを確認し、再検討する必要があります。きちんと段階を踏んで、保険を見直すとよいでしょう。
保険の見直しは、それほど難しくありません。現在から将来にかけての必要保障を考えます。死亡したときの保障と病気になったときの保障、介護に対する保障など、どの程度必要なのかを家族で話し合う必要があります。
また、これからどれくらい長生きするのかも大切な要素のひとつになります。予想より長生きして満期を迎え、保障が打ち切られたことで、後の生活に不安が残ると言うのは望ましくありません。まずは大まかで構わないので残りの人生の予測をするとよいでしょう。
生活を保障する代表的な5つの保険
保険を見直す場合、特に注意をすべきなのは生命保険、医療保険、特定疾病保険、介護保険、年金保険の5つの保険です。どれも重要な保障ですが、その分、特約などで保険料がかさみがちです。しっかりと見直す必要があります。
まず、生命保険は被保険者が亡くなった場合の遺族の生活を保障するものです。定年後、子どもが独立しているのであれば、守るべきは妻だけになります。厚すぎる保障はかえって無駄になることが多くなります。
続いて、医療保険は病気やケガをした時の治療費や入院費用の保障、働けない期間の収入補填などをしてくれます。
しかし、日本では公的保険で医療費による自己負担は大幅に抑えることができるので、入院やケガで働けなくなっている間の収入に対する心配がなくなれば、この保障はそれほど大きな意味を持たなくなります。
特定疾病保険は、より条件が限定的な保険です。がんや急性心筋梗塞、脳卒中という日本人の死因ワースト3の病気に備えることができます。被保険者がこれらの病気にかかり、特定の状態に陥った場合に保険金が支払われます。
続く介護保険は、介護が必要な状態になったときにその費用を補填する保険です。しかし、65歳以上の被保険者に対する介護なら、基本的に公的介護保険でも充分に費用の補填が受けられるので、民間保険による保障は公的保険への追加分と考えてもよいでしょう。
最後の年金保険は、生活の備えとして年金代わりに積み立てているものです。税金控除の対象になることもあるので、その点も確認が必要になります。
保険の見直し方
保険の見直しは次の3つのステップで進めていきます。
1.ライフスタイルにあった保障の再検討
現在から将来にかけての必要保障を確認します。必要となる保障の種類と保障金額をいつまで備えるかを検討します。
2.加入中の保険と必要保障を比較
必要となる保障額が現在の保険で手当てできるか確認します。この時点が保険の過不足が分かります。
3.見直し検討作業
以下のように保険契約の変更や別保険の新規加入により保障内容の調整を行います。
- 保障額の増額や減額
- 特約を追加
- 保障期間の延長短縮
- 保険の転換
- 新規契約