一時払いと全期前納払い
2019/10/29
一時払いと全期前納払いは共に契約時に保険料を一括で全額払い込む支払方式のことです。一般に保険料の支払い方法は主に「月払い」「半年払い」「年払い」があり、保険料の総支払額は安い順に「年払い」→「半年払い」→「月払い」となります。
さらに「年払い」よりも保険料の総支払額を安くできる保険料払込期間の全期間に渡って保険料を支払う「一時払い」と「全期前納払い」があります。
一時払いと全期前納払いの違い
一時払い :前保険期間分の保険料を1回で支払う方法のこと
全期前納払い:全保険期間分の保険料を生命保険会社に預けて1回で支払う方法のこと
上記の2つについては、保険契約の際に全保険期間分の保険料を用意する必要があるという点で共通していますが、一時払いは保険料を「支払っている」のに対して、全期前納払いは保険料を「預けている」状態となっている点で異なります。
どちらも全期間分の払い込みですが、保険料の割引率で考えたときには一時払いの方が高く割り引かれます。
一時払い
保険に入るときに全ての保険料を一括で支払いますので、保険料支払い完了となります。支払った時点で、払い込んだ保険料は生命保険会社の所有になります。
全期前納払い
保険に入る際に保険料を全額払い込むまでは「一時払い」と同じですが、支払保険料は生命保険会社に預けると形になります。その預けている保険料から、生命保険会社が毎月の保険料に充当していきます。
この違いによって、例えば、保険の対象となる事故の発生時や解約時に全期前納払いでは未経過分の保険料が返還されますが、一時払いでは返還されないといった違いが生じます。
一時払いの特徴
・全期前納払いよりも割引率が高く、保険料の総支払額が安くなる
・被保険者が死亡したときや保険契約を解約するときには保険料は返還されない
全期前納払いの特徴
・被保険者の死亡時や保険契約を解約したときには未経過分の保険料は返還される
・保険料払い込み期間中は毎年、生命保険料控除が受けられる
一時払いと全期前納払いの違いをまとめると以下のようになります。
一時払い | 全期前納払い | |
保険料支払額 | 全期前納払いより安い | 年払いより安い |
保険対象事故発生時、解約時の保険料の取扱 | 支払い保険料の返還なし | 未経過の保険料の返還あり |
生命保険料控除 | 保険料を支払った最初の年のみ控除できる | 保険料払込期間中は毎年控除できる |
一時払いと全期前納払いのおすすめはどっち?
保険料の払込総額は一時払いの方が安くメリットがありますが、生命保険料控除が最初の年しか認められないことや、保険加入後すぐに保険対象事故が発生した場合、支払った保険料は返還されないため、支払総額が全期前納払いよりも逆に高くなるなどデメリットもあります。
(注:生命保険料控除額は年収によって控除額は異なるため一概にどちらが得になるか断言はできませんが、年収が一定している前提で記載しています。)
いずれの方法も、余剰金がないと選択できませんが、利用可能な場合、検討の余地はあります。