生命保険加入時の告知義務
2017/03/29
生命保険に加入する時には告知義務があります。この告知義務に違反すると保険金が支払われないことになりますが、違反したらすべての場合において、生命保険会社は契約を解除できるものではありません。どのような場合が該当するのか確認します。
告知義務について
保険に加入した際に私たちがしなくてはならないものが告知です。告知は義務化されていて守らない場合、保険金が受け取れなくなったり、病気になってしまったことにより、保険自体を解除されるという場合もあります。
1.告知義務
生命保険の契約を結ぶに際して、保険契約者または被保険者は、生命保険会社が病歴や健康状態など「重要な事項のうち、告知を求める事項について」、事実を告げなければなりません。これを告知義務といいます。
2.告知義務者
3.告知の方法
医師の健康診断を受けない保険契約の場合は、告知書(告知欄)に記載して告知が完了します。また、医師の健康診断を受ける保険契約の場合は、医師が告知書(告知欄)に基づき質問した事項について答える方法で告知が行われます。
告知義務違反
告知書に事実をありのままに正確にもれなく告知しなかったときに、告知義務違反となる場合があります。
1.告知義務違反した場合
告知義務に違反すると保険会社は保険契約を契約締結の時から5年間解除することができます。保険事故発生前後を問わず、告知義務に違反して解除された場合、保険金は支払われません。
2.告知義務違反の解除要件
告知義務違反で解除するには、告知義務者に悪意または重過失があることが必要です。
悪意:告知すべき重要な事項であることを知っていた場合
重過失:告知すべき重要な事項であることを少し注意すれば知り得た場合
通常、保険約款では保険契約申込後、第1回保険料払込みまでに健康状態に変動があった場合、告知義務が生じると規定されています。したがって、その期間内は告知義務があるということになります。
なお、次の場合には生命保険会社の解除権が消滅し、解除できなくなると保険法および保険約款に定められています。
告知すべき「重要な事項」とは何か
告知すべき「重要な事項」とは、保険契約を締結する際に将来の危険度を判断するような事項のことです。具体的には、被保険者の年齢、職業、最近の健康状態などが該当します。
生命保険会社と被保険者が、保険契約を結ぶときや契約内容を決定するときには、保険契約者および被保険者は生命保険会社に「重要な事項」を告知しなければなりません。
具体的な例:
被保険者の年齢、性別、所在地、職業、重複契約の有無、最近の健康状態、既往歴、受療(入院・通院・手術)歴、持病の有無、身体の障害など