保険金は請求しなければ支払われない
保険契約を継続していくと保険金を受け取るときがあります。被保険者が死亡した場合、生命保険会社から保険金の支払いの通知が来るわけではありません。保険金は受取人から生命保険会社に請求があって初めて支払われます。
保険金の請求方法
生命保険に加入中のポイントとして、保険金をどのように請求するかを知っておく必要があります。生命保険の種類や生命保険会社によって必要な書類は異なりますが、請求手続きは共通です。
1.生命保険会社に連絡
生命保険会社は自ら、被保険者の死亡を確認することは非常に困難です。保険金は受取人から生命保険会社に請求しなければ受け取れないので、まず、生命保険会社に連絡することが必要です。手元に保険証券を用意しておくとスムーズに手続きが進められます。
被保険者の死亡の原因が保険金受取人や被保険者自身の故意または犯罪による場合、戦争や天災など保険料の計算基礎に重大な影響を及ぼす場合には、保険金や給付金が受け取れないことがあります。
免責事由については、約款に限定列挙されています。 保険金などが支払われない代表例は以下のとおりです。
2.保険金の請求手続き
生命保険会社に連絡すると保険金の請求に必要な書類や用紙が送られてきますので、生命保険会社の指示に従って、手続きをします。
死亡保険金の請求に必要な書類表
保険金請求に必要な書類の入手先
3.保険金の受け取り
平成22(2010)年の保険法改正時に保険金等の支払い期限が明示されたため、より早く保険金などが受け取れるようになりました。
生命保険会社に書類到着後、審査結果が支払可となった場合、支払期限は請求書類が生命保険会社に到着した日の翌日から起算して5営業日以内となり、正当な理由なく期限後に支払われるときは、保険金などとあわせて一定の遅延利息が支払われます。
ただし、支払事由の発生の有無の確認や特別な照会や調査が必要な場合は、書類が到着した日の翌日から起算して180日に延長されることがあるので注意が必要です。
保険金の請求期限
保険法第95条によると保険金や給付金、解約返戻金、前払保険料を返還する権利は、権利発生時の翌日から3年間行わなかった場合、時効により消滅します。しかし、自動的に「3年経過したから権利が消滅する」わけではありません。
時効に伴う法律効果は時間の経過だけで生じるものではなく、時効によって利益を受けるもの(生命保険の場合は保険金の支払い義務が消滅する生命保険会社)が時効の利益を受ける旨の意思表示をすること(これを時効の援用という)によって初めて発生するものなのです。
これを生命保険に当てはめると、時効によって保険金の支払いを免れて利益を得るのが生命保険会社、保険金を受け取る事ができず利益を失うのが契約者(保険金受取人)になります。生命保険会社が契約者(保険金受取人)に意思表示すれば、時効が成立します。
しかし、生命保険会社は基本的スタンスとして、死亡や満期時の保険金の請求に関しては、時効の援用はありません(ただし、自殺や保険金詐欺の疑いがある場合等、事件性が高い場合には時効の援用をする場合があります)。
亡くなった親名義の生命保険で、「保険金の請求をし忘れている」もの、「契約があったことも知らずに、荷物を整理してみたら保険証券が出てきた」場合は、3年を過ぎてしまったとしてもあきらめずに、まずは生命保険会社に問い合わせてみましょう。