生命保険の配当金の受け取り方
生命保険の種類によっては生命保険会社から配当金が支払われますが、生命保険の配当金の受け取り方は、生命保険に加入する時に決めます。ただし、保険商品の種類によっては、受取方法が決まっているので選択できない場合もあります。
生命保険の配当金
生命保険は保険契約者からの保険料をもとに運用していきますが、剰余金が生じた場合、配当金として保険契約者に返すことになります。なお、生命保険によっては無配当保険もあります。
保険料(3つの予定に基づき算定される) | 予定死亡率 (年齢ごとの死亡率) |
予定死亡率よりも実績が下回る場合 | 左記のような場合には剰余金が生じる |
予定利率 (保険料の運用による利回り) |
予定利率によって見込まれた運用収入よりも、実際の運用収入が多い場合 | ||
予定事業費率 (保険事業運営のための経費) |
予定事業費率によって見込まれた事業費よりも、実際の事業費が少ない場合 |
契約者なら誰にでも還元されるわけではなく、「有配当保険」と「無配当保険」のうち、有配当保険の商品を選んだ人だけに配当金が分配されます。
有配当保険と無配当保険を比較すると、無配当保険は配当金がないため有配当保険よりも保険料を安く抑えることができます。一方、有配当保険は配当金がインフレ時には配当金が増額、デフレ時には配当金が減額するので景気の影響を受けやすいといえます。
有配当保険の種類
毎年配当 | 剰余金が出たら毎年配当されるタイプ。ただし契約後3年間は受け取れないのが一般的。 |
5年ごと利差配当付保険 | 剰余金が生じ、通算5年間の損益がプラスだった場合に配当されるタイプ。ただし、3つの予定率のうち予定利率での利差がプラスになった場合に限る。 |
配当金の受け取り方
1.配当金の支払時期
配当金は通常、契約後3年目から支払われます。配当金は生命保険会社の決算日に契約日から1年を超える契約に対して支払われます。したがって、契約後3年目の契約応当日に配当金が支払われることになります。
2.配当金の受け取り方
(1)現金受取
生命保険会社から受け取る配当金を現金で受け取る方法です。団体保険では行われていますが、個人保険では限られています。
(2)積立配当
積立配当とは生命保険会社から配当金として支払われた金額を生命保険会社に積み立てておく方法です。生命保険会社で積み立てておくので所定の利息(複利)がつくのが特徴です。
保険期間中自由に引き出せるかどうかについては生命保険会社、生命保険の種類によって、取り扱いが異なりますので確認しましょう。満期や死亡した場合などの満期保険金や死亡保険金と一緒に受け取ることもできます。
(3)保険金買増
保険金買増とは生命保険会社から支払われた配当金を一時払いの保険料として生命保険を買い増して保険金を増額する方法です。増額するたびに保障が高くなります。
(4)相殺配当
相殺配当とは、生命保険会社からもらう配当金と保険料を相殺する方法です。配当金の金額だけ保険料の負担額が軽減されるのが特徴です。配当金は保険契約を継続すれば増えていきますので、実質的な払込保険料は年々減っていきます。
生命保険の配当金と利息との違い
毎年の決算で確定した剰余金は、配当金として契約者に払い戻されます。配当金は利息に近いイメージがありますが、安全性を見込み余分に預かった保険料を返す意味合いがあります。