解約
2019/11/10
解約とは満期までに保険契約者が生命保険会社に通知して契約を消滅させることです。解約によって契約は消滅し、以降の保障はなくなりますが解約前に発生した保険事故については解約後でも保険金や給付金を請求することができます。
特約付の保険契約の場合、特約のみを解約することはできますが、主契約を解約して特約のみを継続することはできません。一旦解約をすると後戻りはできませんので注意が必要です。
生命保険の解約によるメリット
1.家計の改善
生活状況が変化して保険料の支払いが困難になってしまった場合、損得だけを考えると何とか節約して解約しない方が良いのですが無理な支払いを優先するあまり家計に負担が生じるため、まずは、家計改善を優先しましょう。
なお、ある程度の期間が経過していれば払済保険への変更も出来る可能性があります。
2.解約返戻金が高くなる
保険契約は主契約という契約の根幹とオプション的な特約があります。積立保険の解約返戻金のほとんどが、この主契約の解約返戻金になります。特約は一般的には掛捨てになりますので、特約だけを解約する事で解約返戻金は増加します。
保障内容を確認した上で不必要なものだけを解約しましょう。
生命保険解約によるデメリット
1.積立保険は解約返戻金が少なくなる
養老保険や終身保険など払った保険料を積立出来る保険商品は、解約時に積立てた保険料が戻ってきます。これを解約返戻金といいます。解約返戻金は、解約の時期に応じて戻ってくる金額が違います。
ある一定の期間を超えると元本より多く戻りますが、5年未満などの短期で解約した場合は、払った保険料の一部しか戻ってこないものがほとんどです。これは契約時の経費や保障部分に支払保険料の一部が割り当てられるためです。
2.保険の再加入に支障がある
見直しなどによって保険を入り直す場合は注意が必要です。健康状況によっては、解約したものの新たに加入出来ないことがあります。また、支払保険料は加入年齢に応じて上がっていきますので、高くなる場合があります。
解約する前に注意しておきたいポイント
1.解約する場合の損得を考えよう
(1)解約が損となる代表例
ア.終身保険など貯蓄性の高い保険:
解約した場合の解約返戻金が少なくなるので損するケースが多くなります。
イ.予定利率の高い保険:
昭和60年4月2日から平成5年4月1日までに加入した保険の予定利率は現在では考えられない5.5%となっています。予定利率が高い分、保険料が安くなっています。
ウ.一時払いした保険:
掛け捨てであっても明らかに損になります。
(2)解約が得になる代表例
保障ニーズが変わったとき:
たとえば、子どもが経済的独立をした場合は子どもに残す死亡保障は必要なくなるので無駄な保険料を支払い続けるのではなく、解約する方が良いと思います。
2.新たに加入し直す保険が有利とは限らない
生命保険は時代の流れに合わせて保障内容を変化しています。現状にあった保険に加入するのは良い考えですが、加入し直す時点での年齢で保険料を計算するため保険料が高くなることや現在の保険の予定利率と比較して新たに加入する保険の予定利率が低い場合は保険料が高くなります。
新たに加入しようとしている保険は保険料が高くなっても必要な保障なのかよく検討して解約するか判断しましょう。特に貯蓄性の高い終身保険などは解約返戻金にも影響があるので注意しましょう。
3.解約するタイミングに注意
新たに加入する保険の保障開始日は、「申し込み」「告知・診査」「第一回保険料の払込み」の3つが完了した時点になります。(中にはがん保険のようにさらに待機期間をプラスする場合もあります。)
この完了前に現在加入している保険を解約すると保障の空白期間が生じるので次の新しい保険の保障が開始された日以降に解約するようにしましょう。