満期保険金
2019/11/22
満期保険金とは養老保険や学資保険などの貯蓄性のある保険で、保険期間が満期になった時に被保険者が生存していた場合、受取人に対して支払われる保険金のことです。
満期とは、保険契約によって定められた保険期間の満了時のことです。例えば、養老保険は満期を迎えると、死亡保険金と同額の満期保険金を受けることができるようになっています。
保険会社は受け取った保険料の運用分を計算して満期保険金の金額を設定しています。予定利率が高いものでは、預貯金よりもお金が増えるということから、満期保険金を目当てに生命保険に加入するといった方法もあります。
半ば自分で積み立てた貯金のようなものです。なお、満期保険金に対しては一時所得の扱いで課税対象となります。
一方で、払い込んだ保険料の総額より満期保険金が少ない場合もあります。この場合、その減少分を保障に回していると考えることができますので、保障内容についても確認して必要かどうか判断しましょう。
解約返戻金との違いについて
「解約返戻金」とは、保険契約に対し、契約期間中に契約者が解約または保険会社から契約を解除された場合、それまでに払った保険料の一部が払い戻されるものを指します。
一般的には終身保険などの貯蓄性の高い商品の解約返戻金は多くなりますが、定期保険など保障性の高い掛け捨てタイプの商品の解約返戻金は少なくなります。
これに対し、「満期保険金」とは保険契約が満期を迎えることにより受け取れる保険金です。なお、終身保険のように契約期間が定められていない保険には満期保険金はありません。生命保険には「保障性」と「貯蓄性」のふたつの性質があります。
いざという時の保障のことを考えて生命保険に加入するのが一般的であると思いますが、貯蓄性を重視した生命保険もあります。生命保険には貯蓄性に重点を置いたものと保障性に重点を置いたもの、両方のバランスを調整したものなど様々な商品があります。
生命保険を選ぶ時、「いざという時の保障性も大切だが、しっかり貯蓄(資産形成)できるものがいい」とか「貯蓄は別に考えるから、掛け捨てで保険料の安いものがいい」など、それぞれの事情や価値観によって決められます。
満期保険金にかかる税金
基本的に支払った保険料の総額と受け取った満期保険金の差額(差益)に対して税金がかかります。受取総額が支払った保険料の総額より少ない場合、税金は発生しません。
1.一般の保険商品の満期保険金にかかる税金
一般の保険商品の満期保険金にかかる税金は、契約形態(契約者・被保険者・受取人の関係)によって異なります。
一般の保険商品の満期保険金にかかる税金の概要
契約形態 | 税金 | 概要 |
契約者=受取人 | 所得税 | 満期保険金を一時金で受け取った場合は一時所得となります。 【一時所得の所得税額】 (差益-50万円)÷2×その年の所得税率 |
満期保険金を年金で受け取った場合は雑所得となります。雑所得は、その年に受領した年金の額から、その金額に対応する払込保険料の額を差し引いた金額となります。なお、原則として年金受領時に所得税が源泉徴収されます。 【雑所得の所得税額】 雑所得を含む課税所得金額に応じた所得税率と控除額により、所得税額を算出 |
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契約者≠受取人 | 贈与税 | 契約者(保険料を支払った人)と満期保険金の受取人が異なる場合は贈与になります。 |
※参考までに解約返戻金も同様の扱いです。
2.金融類似商品の満期保険金にかかる税金
契約者=受取人でも、契約した商品が金融類似商品に該当する場合、満期保険金は源泉分離課税となります。この場合、満期保険金の受取金額(配当金を含む)と払込保険料との差益に対して、20%(所得税15%、住民税5%)の税金がかかります。
なお、金融類似商品とは保険期間、払込方法及び保障倍率が、以下の条件に該当する商品のことです。
金融類似商品となる条件
保険期間 | 5年以下(保険期間が5年を超える契約で、契約日から5年以内に解約されたものを含む) |
払込方法 | 一時払いまたは以下のいずれかに該当するもの ・契約日から1年以内に保険料総額の50%以上を払い込む方法 ・契約日から2年以内に保険料総額の75%以上を払い込む方法 |
保障倍率 | 以下の両方に該当するもの ・「災害死亡保険金」と「疾病または傷害による入院・通院給付日額に支払限度日数を乗じて計算した金額」の金額の合計額が、満期保険金額の5倍未満 ・「普通死亡保険金額」が満期保険金額の1倍以下 |
※参考までに解約返戻金も同様の扱いです。