若いときの加入で保険料は安くなる
2017/02/03
定期保険の保険料は、契約年齢が若ければ安くなり、保障される保険期間が短ければ安くなりますが、契約年齢が若くても保険期間が長くなると保険料は高くなります。
保険料のしくみ
若い時は確率的に死亡する可能性が低いため、同じ保険金の保険であっても保険料は安くなります。
年齢ごと死亡率(厚生労働省H26年度「簡易生命表」より)
男性 | 女性 | |
30歳 | 0.065% | 0.033% |
40歳 | 0.109% | 0.066% |
50歳 | 0.276% | 0.152% |
60歳 | 0.703% | 0.318% |
70歳 | 1.780% | 0.727% |
75歳 | 2.785% | 1.242% |
80歳 | 5.011% | 2.438% |
30歳と50歳とでは死亡率に4倍以上の差があります。
当然ですが、生命保険の保険料(危険保険料)はリスクに応じて上昇しますので、30歳の保険料よりも50歳の保険料の方が高くなります。
若い人ほど保険料が安くなるというのはどういう意味か
一つ目は若い時の方が死亡リスクが低いので同じ保険金の保険に入るとしても保険料は安く済むという点です。
ただ、この場合は年をとり、更新が行われるたびに保険料がアップすることになります。仮に25歳で保険に加入して15年更新だという場合、今回の保険料は25歳という死亡リスクの少ない時期の保険なので安くなりますが、次の更新時は40歳となり、死亡リスクも高くなるため、その分保険料はアップします。
もう一つは終身保険のような保険の場合、若いときに加入すればその分保険料を平準化することができるので、年をとってから1年当たりの保険料が安く済むというものです。
更新が無いタイプの保険の場合は、ある程度は意味がありますが、加入から満了までの通期で見れば当然支払う総額の保険料は高くなるので注意が必要です。
加入年齢と期間による保険料の違い
1.加入年齢による保険料の違い
30歳男性が60歳満期で3,000万円の定期保険に加入する場合の保険料をある生命保険会社の定期保険(無配当)を例に以下に示します。
保険期間 | 月額保険料 | 払込金額 |
60歳までの30年 | 10,890円 | 3,920,400円 |
40歳までの10年 | 5,970円 | 716,400円 |
50歳までの10年 | 9,780円 | 1,173,600円 |
60歳までの10年 | 19,260円 | 2,311,200円 |
※10年ごとに更新していく場合の60歳までの払込金額は、4,201,200円になります。
定期保険では、保険金額が同額であっても、契約年齢が高くなるにつれて保険料も高くなります。契約者は毎年一つずつ年を重ねますが、契約時に決定した保険料は、保険期間中は同額です。ほとんどの保険は、このように契約年齢に応じて保険料が高くなるしくみとなっています。
若いときから長期間加入した場合、保険料の払込総額は多くなります。月払保険料が更新ごとにどんどん上がっていくため、払込期間が長期に渡ると、保険料がかさんでしまいます。
2.加入期間による保険料の違い
30歳男性が1,000万円の定期保険に加入する場合の保険料をある生命保険会社の無解約平準定期保険を例に以下に示します。
保険期間 | 月額保険料 |
10年 | 3,580円 |
20年 | 4,420円 |
30年 | 5,680円 |
定期保険では、保険金額が同額であっても、10年満期、20年満期、30年満期と、保険期間が長くなるにつれ、保険料もしだいに高額になっていきます。これだけ見ると10年定期が一番安くて得なような気がしますが、10年定期は10年毎に更新があります。
20年保障が必要であれば、30歳で加入して40歳時点で更新する必要があります。更新の際は更新の時の年齢で保険料を再計算しますので、保険料は高くなります。
加入年齢と加入期間の両方の観点から払込総額で保険の加入を考えた場合、定期保険はその名のとおり、ある一時期(定期)だけの保障に限るべきで、「若いときに加入した定期保険は、若いときだけ」で終わらせたほうがよいと言えそうです。